特集

博多に新しい顔
キャナルシティ博多・イーストビルが開業

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■参考にしたのは原宿・明治通り

ついに開業したキャナルシティ博多・イーストビル。地下1階~地上5階建て(店舗は地上1~3階)、延べ床面積は約1万8000平方メートル。10代~30代女性とファミリー層をコアターゲットに据え、年間で来店客は200万人、売り上げは約60億円を見込む。


スウェーデン発カジュアルファッションブランド「H&M」が九州初出店するほか、国内最大級の規模となる「ZARA」と家具や雑貨をそろえる「HAKATA Francfranc」、「ユニクロ」は九州最大級の店舗としてオープンし、九州では同店限定の商品もそろえる。


スペイン発ブランド「デシグアル」、ZARAの姉妹ブランド「ベルシュカ」、ロンドン発のアクセサリーショップ「アクセサライズ」も九州初出店。15年ぶりに九州に再出店するピザレストラン「シェーキーズ」のほか、地元の老舗銘菓・石村萬盛堂が手がけるベーカリー・カフェ「セ・トレボン」や千鳥屋本家のスイーツショップ「菓子処典」など地元色もしっかり加えたラインナップだ。


テナントについては、「九州全体はもちろん、アジアに向けたフラッグシップショップが(当館で)実現できると思い、スペースのない駅ビルや天神エリアにはできないスケール感を出したかった」と同館を運営する福岡地所の常務執行役員・商業事業本部長の田中勉さん。有名ブランドが日本の旗艦店を構える東京・原宿の明治通りを参考に構成し、「東京に次ぐ戦略店舗をお願いした」という。


イーストビルもアジアからの観光客を見込み、広東語、北京語、韓国語、英語の表記も徹底した。キャナルシティ博多には年間で7000~8000台の外国人観光客を乗せた観光バスが到着しているが、3月に発生した東日本大震災後、海外からの観光客が激減。「3月以降例年より海外からの来客数と売り上げは減ったが、6月以降は前年に届かないものの、回復の兆しが見えてきた」という。イーストビルの開業を機に購買意欲が低迷するムードを一気に取り払いたいところだ。


■国内最大の壁面緑化

同館のコンセプトは「歩いて楽しい街」。壁面には排気ガスの吸着分解に優れた常緑ツル性植物などを使った国内最大規模の約3000平方メートルの壁面緑化を施したほか、中央部にはシンボルツリーとしてシマトネリコを配置。衛生設備には再生水の利用なども行うなど環境にも配慮した施設に仕上げた。


■独自の存在感を

開店時刻の10時には約1000個のパルーンが空に広がり、開店を祝した。どんどん伸びる入店の列に期待の高さがうかがえるH&Mのほか、各所で列ができ始め、開店時には1100人が列を作った。H&Mの先頭に朝5時から並んでいたという市内在住の学生・金子友幸さんは「やっと福岡にも出店されてうれしい」と声を弾ませた。


好調に業績を伸ばすJR博多シティ、9月に天神に誕生した「バーニーズ ニューヨーク福岡店」など開業ラッシュに沸く福岡。「天神から博多駅へ行く楽しさが増え、博多地区全体の魅力アップにつながれば」と田中さん。


競合ぞろいでさらに厳しくなることも予想されるが、「キャナルシティ博多とイーストビル全体でファッション、グルメのほか、エンターテインメントなどトータルに提案し、モノ売り以外の要素で独自の存在感を高めていきたい」と意気込みを見せる。



取材/編集部 秋吉真由美





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