博多町家の保存を-ふるさと館で長谷川法世館長直筆のコラム原画など展示

展示には長谷川法世さん直筆のイラストやエッセイが並ぶ。法世さんは博多町家を残すために「博多町家残し隊」を結成、協力者を募集している。

展示には長谷川法世さん直筆のイラストやエッセイが並ぶ。法世さんは博多町家を残すために「博多町家残し隊」を結成、協力者を募集している。

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 「博多町家」ふるさと館(福岡市博多区冷泉町、TEL 092-281-7761)の展示棟2階で8月1日から、漫画家で同館館長の長谷川法世さんが明治から昭和初期の博多の町家を描いた作品を展示する「長谷川法世の『町家散歩』展」が始まった。

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 今回の展示のきっかけは、「近年激減した町家を保存したい」という長谷川さんの思いから。2007年から読売新聞に連載された「町家散歩」の原画など約50点に加え、「博多っ子純情」の原画など約20点も展示されている。作品は、長谷川さんが実際に町家に足を運び細やかな取材をもとに、外観以外にも内装や人々の暮らしぶりをイラストとエッセーで細かく描写している。

 また、「山笠やどんたく松囃子とともに、町家は博多の重要な文化遺産」として、現在10数軒が残るのみとなってしまった博多の町家を保存するため、長谷川さんが町家を語り、博多町家絵や似顔絵を描いてチャリティー即売するイベントも行う。また同日は「いけどうろう」と呼ばれる博多の箱庭のワークショップも最終日で、13時半から展示される。

 今年でオープン14年目となる同館は、今月2日に累計入場者数が100万人を突破したほか、例年8月9日の開館記念日に近い週末に1日だけ開催していた夏祭りを、今年は4日間開催する。展示棟の無料開放や草笛の演奏体験、大道芸なども行うほか、金魚すくいやヨーヨー釣りなどの縁日屋台も登場する。

 同館学芸員の松尾由美子さんは「町家は人々とのつながりを生み、自然環境を生かした造りで、歴史的な意味合いに加えて、(今回の展示を)見ていただくことでもっとたくさんの人に知っていただければ」と期待を寄せる。

 開館時間は10時~18時(土曜・日曜のみ9時から開館)。入館料は、一般=200円、中学生以下、65歳以上=無料。9日は全館無料開放。展示は今月30日まで。博多の町家保存のためのチャリティー即売会は8日15時~。夏まつりは8日・9日・15日・16日で、縁日屋台は13時~。

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