特集

福岡発若手ミュージシャン発掘プロジェクト
「FUKUOKA Music Factory(福岡ミュージックファクトリー)」

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CDショップ発の「よか音」とは?

福岡主要CDショップとメジャーレコード会社12社、インディーズメーカーのBounDEEで構成するアーティスト応援プロジェクト「よか音(ね)」。CDの売り上げ低迷を背景に、競合店の垣根を越え、手を取り合って発信していこうと2008年秋に企画。同12月より運用を開始している。


主な取り組みは、各CDショップのスタッフが集まり、各レコード会社が推薦するアーティストの楽曲を視聴。全店でプッシュする楽曲を毎月、投票で決める。プロジェクトロゴが付いた全店共通コメントカードなどを使った「よか音」常設コーナーを展開し、自らが自信を持って選んだ楽曲のブレイクを狙うというもの。


よか音の指揮をとるのはエイベックス・マーケティング第1販促営業本部第2部西日本営業課課長の本木隆之さん。「若い世代はデジタル化が進み、パソコン中心の生活。家でCDを聞くオーディオを持たない子もいる」と本木さん。若者のCD離れを懸念し、福岡スクールオブミュージック専門学校にも協力を呼び掛け、学生が授業の一環として「よか音」アーティストを紹介するフライヤーの制作やインストアイベントを手がけるなど、音楽業界を担う若手育成の取り組みも展開している。


CDショップから始まった輪は商業施設などにも広がりを見せ、「アーティストを生み出すことから始めて、さらにプロジェクトを拡大しよう」とキャナルシティ博多とのタッグが実現。福岡からアーティストを誕生させるオーディション企画「福岡ミュージックファクトリー」が生まれた。


今年6月に第1弾アーティストの募集を開始し、現在、書類審査、ライブ審査が終了した。ライブ審査で通過した2組は、9月より3カ月間、キャナルシティ博多地下1階サンプラザステージで月2回のレギュラーライブに出演し、パフォーマンスの人気投票や曲のダウンロード数を競うこととなる。そして見事、選ばれた1組は「よか音」レーベルより、CDをリリースできるチャンスが与えられる。


■熱気あふれるライブ審査

8月10日、今泉のライブハウス――。各レコード会社やCDショップスタッフなど音楽関係者が集まる会場で書類審査を通過した6組による熱いステージが繰り広げられた。6色の個性がぶつかる空間に審査員も頭を抱える。伸び伸び歌い上げる者もいれば、緊張が顔に出てしまう出場者も。出場者が手に汗握る中、審査員は投票を終え、その場で結果が発表された。


選ばれた1組目は「No Brand(ノーブランド)」(写真右)。10月で結成2年目を迎える8人編成のレゲエバンドで福岡のライブハウスを中心に活動している。ライブ終了後、「緊張したけどホッとした」とメンバーの高田虎生也さん。「涼しくなる季節だが、自分たちの色でキャナルのステージを夏色に変えたい」と意気込みを見せる。


もう1組は、木下理映子さんを中心とした2~5人のアレンジ型ユニット「理映子」。「ステージより開票の時間の方が緊張した」と木下さん。笑顔で「スケールの大きい、ライブパフォーマンスを見せたい」と話し、来月から始まるステージに胸を躍らせた。


■「福岡=よか音」に

「今は、売れたアーティストがいて、偶然プロフィールを見たら福岡出身だったという人が多く、地元意識がない。昔は皆で応援してスターを育てていく道筋があったのに」と本木さん。「『オレが育てたんだよ』という人が街にたくさんいる状態にすれば、自然と息の長いアーティストが生まれるはず」という。


「よか音」も「当初は全CDショップスタッフ参加の飲み会を開いて仲良しにさせるところから始まった。今では競合店だったショップも何でも言える仲になったのでは」という。「他のエリアにはない、めずらしい取り組み。福岡らしいでしょ」と笑う。「今はCDショップ中心だが、カフェでも美容院でもどこでもいい。音楽にかかわる場所であればどこでも。そんな風に『福岡=よか音』と呼ばれるプロジェクトに育っていってほしい」と期待を寄せる。




文・写真/編集部 秋吉真由美




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