特集

福岡シティ劇場が新装
エンターテインメントシアター「キャナルシティ劇場」へ

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■福岡屈指のエンターテインメントシアターへ

劇団四季専用劇場から貸し劇場へ――万能に対応できる新劇場が誕生する。貸し劇場としての運営に向け、福岡地所はミュージカル、演劇、音楽、ダンス、古典など多彩なジャンルの公演ができるよう照明やスピーカーの新調・拡充を図り、舞台設備やロビーを改修。「福岡屈指のエンターテインメントシアター」として新たなスタートを切る。


オープニング作品である、りんごの無農薬栽培に賭けた男とその家族を描くベストセラー「奇跡のりんご」を舞台化した「りんご~木村秋則物語~」を筆頭に、中井貴一さん、市原隼人さん出演の「カーディガン」、ウィリアム・シェイクスピア原作の「アントニーとクレオパトラ」(写真右下)、井上芳雄さん、中越典子さん出演の「LOVE LETTERS 2010」など有名俳優らが出演する作品が続く。子ども向けのミュージカル「ハートキャッチ・プリキュア」や来年2月には福岡の建物や乗り物を擬人化したキャラクターで地元に根付いた「かぶりもの」劇団「ギンギラ太陽’s」(写真左上)の公演も決まり、2月末までに計10作品のバラエティーに富んだ個性豊かな作品が並ぶ。


■福岡の演劇シーンの活性化へ

「福岡は1,000席を超える収容力のある劇場やホールが少なく、各種興行が東京・大阪・名古屋止まりだった」と同劇場開業準備室の岩永一室長。「福岡は有能な演劇マーケット。東京の制作会社からの問い合わせも多く、九州への乗り込みの期待感は高い」という。「幅広いジャンルに対応できる劇場にすることで各種公演が増え、福岡の演劇シーンが育つ」と期待を寄せる。


福岡では2007年より、市内各所で「福岡演劇フェスティバル」が開催されており、今では毎年恒例のイベントとして認知度も向上、地元劇団の活動も活発になっている。「今後は地元劇団の声も聞きながら、東京から流れてくる公演の増加と同時に福岡の演劇シーンも一緒に成長するよう盛り上がるきっかけ作りができれば」と岩永さん。地元に根付いた劇場として「今までは見たことしかなかった劇場を体験してもらおう」と2月までの公演の合間の空き日程を地元劇団やダンス教室、専門学校などを対象に特別価格で解放するオープニングキャンペーンも企画した。


■福岡から国内外へ発信

来年4月には、福岡初上演のミュージカル「ウィキッド」を引っさげ、劇団四季の福岡公演も復活する。「福岡出身の演出家や俳優のみを集めた作品など、『福岡発』を意識した作品作りも考えたい。福岡から東京、大阪、アジアに発信し、都心部に負けない舞台作りを目指す」。


また、将来的には字幕対応も視野にいれており、「JUMP」「NANTA」など個性豊かな作品が多い韓国や中国など、アジア作品の誘致も検討中だという。


来年3月には待望の新博多駅ビルが開業し、九州新幹線が全線開通する。「まずは見る機会を増やすことから。福岡を意識したエンターテインメントシアターをアピールしたい」と意気込みを見せる。





取材・文/編集部 秋吉真由美



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