「博多町家」ふるさと館(福岡市博多区冷泉町)展示棟2階で現在、開館30周年記念企画展「秋の収蔵品展-ふるさと館のお宝、お見せします-」が開催されている。
同館は1995(平成7)年8月に開館し、今年で30周年を迎えた。開館30周年を記念し、30年かけて収集した民具や工芸品、玩具など約100点を、前期と後期に分けて展示する。
9月23日に始まった前期では、「博多祇園山笠」の写真や法被、手拭いなどをメインに、博多の伝統工芸品や土鈴、行楽用品などを展示する。10月28日からの後期は、昔の嫁入り道具や装飾品、手動のコピー機「謄写版」、郷土玩具などを展示予定。開催の経緯について、同館学芸員の佐藤彩花さんは「収集品で一度も展示してないものもあり、この機会に昔の生活様式や先人の知恵を学べるような展示をしたいと思い企画した」と話す。
「博多祇園山笠コーナー」では、法被や、絵はがき、写真などを展示する。「博多の伝統工芸品コーナー」では、博多曲物、博多張り子、博多人形などの実物展示をはじめ、各工芸品の歴史をパネルで紹介。「博多の行楽コーナー」では、宴会で多用されたという重箱や陶製の酒だる、とっくりなどを展示する。
展示棟2階と町家棟では、実物を触ることができる「昔の日常体験コーナー」を通期で用意。アンティークのアコーディオンやかき氷機、そろばん、げたなどの日用品をはじめ、博多二和加(にわか)で使われる「ぼてかづら」や、町内で物事を決めるときに使われた木製のくじ箱なども展示する。
佐藤さんは「10月は小学生の社会科見学が多い時期。通常は大人を対象とした展示を行うが、今回は子どもも楽しめるようにするため、子どもが分かるよう簡潔な説明文にしたりルビを振ったりするなど展示方法も工夫を凝らした。『こんな道具があったのだ』と知ってもらい、体験コーナーで実際に触ってもらえたら」と話す。
営業時間は10時~18時(10月31日、11月1日~3日は21時まで、入館は30分前まで)。第4月曜休館。入館料は一般200円(小中学生以下無料)。前期は10月26日まで、後期は10月28日~11月24日。