博多座4月公演「魔界転生(まかいてんしょう)」に出演する小池徹平さんと、演出を手掛ける堤幸彦さんが2月25日、福岡を訪れ公演について意気込みを語った。
原作は小説家・山田風太郎により、1967(昭和42)年に「おぼろ忍法帖」として単行本化された伝奇小説。これまで映画、舞台、漫画などさまざまなジャンルでリメークされている。堤幸彦さん演出による同舞台は、2018(平成30)年に福岡・博多座を皮切りに東京、大阪で上演され、博多座では初演に続いて2度目となる。そのほか、4月に愛知、5月に東京、6月に大阪での上演が決定している。
物語は、「島原の乱」の首謀者・天草四郎が「魔界転生」という妖術を使い歴史に名を残す剣豪を次々とよみがえらせ幕府滅亡を画策する。これら魔界衆に剣豪・柳生十兵衛を中心とする幕府方が立ち向かい、強敵を斬り滅ぼしていく様子を描く。出演は、上川隆也さん(柳生十兵衛)、小池徹平さん(天草四郎)、藤原紀香さん(天草四郎の姉・お品)、浅野ゆう子さん(淀殿)、松平健さん(十兵衛の父・柳生宗矩)など。脚本はマキノノゾミさん。
堤さんは、今回天草四郎役で初参加する小池さんについて「今作の天草四郎は、すごく純粋な表現、ピュアであることが大事」とし、「ストレートでピュアだからこそ悪にも純粋になれるが、心の芯の部分では、魔界に転生しても、愛や人との信頼、人々の苦しみを背負った事実などは忘れていない。そういう二面性のある役なので、小池さんの純真な部分というのは必要であり大事なところ」と話す。
堤さんとは初共演となる小池さんは「作品としてはもちろん知っていたが、この作品で天草四郎を演じられるのは非常にうれしかった」と話す。堤さんとは実際に島原・天草を訪れ、原城や天草四郎ミュージアムなどを巡り、天草四郎のルーツをたどったという。「重みをすごく感じられた。ぐっと引き締まった気持ち」と思いを語る。
コロナ禍での上演について堤さんは「とても制限・制約があると感じているが、どんな逆風・逆境であろうと、見に来てくれるお客さんに楽しんでもらい、つらい時代の一時を忘れて心のお土産を持って帰ってもらうために、逆風・逆境を逆手に取った手法で頑張りたい」と意気込む。
公演に向けて小池さんは「必ずパワーアップした魔界転生を皆さんにお届けできるよう頑張りたい。キャスト・スタッフともども体調管理に気を付け、皆さんに本当に安心して劇場に来ていただけるような作品にしたい」と笑顔を見せる。
公演期間は4月16日~28日。チケットは、A席=1万4,500円、B席=1万円、C席=6,500円。