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福岡市水道局がJICA研修実施、6カ国の海外研修員へ水道技術を指導

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福岡市水道局実習の様子

 福岡市水道局が国際協力機構(JICA)と連携し10月3日~11月15日、上水道分野に携わる世界6カ国の行政官に対して、JICA課題別研修「上水道無収水量管理対策(漏水防止対策)」を実施した。

 福岡市水道局は、JICA課題別研修を2014(平成26)年度から実施しており、今年で10回目。福岡市の水道事業は2023(令和5)年に創設100周年を迎え、現在の漏水率は2.0%(令和3年度)と、世界的にトップクラスの低さを誇る。同研修では、福岡市水道局が「節水型都市づくり」で培ってきた水の有効利用に関する技術を、視察や実習などを通じて、海外の研修員へ指導する。これまでに31カ国、73人が参加した。

福岡市水道局実習の様子

 研修はオンライン含む講義、実習、視察から成る。今回の研修員は6カ国6人で、ブータン、エジプト、ヨルダン、パラオ、ルワンダ、サモアから参加した。11月7日・8日は、水道技術研修所(福岡市西区)で漏水防止の実践的なトレーニングとして、水道管を組み立てる「水道管接合」、漏水の量をメーターで調べ、水道管の漏水箇所を止める「漏水修理」が行われた。

 参加したルワンダの研修員は「無収水量をどうやって計算していくか、というのを教えてもらい、それは本当に為になった。自国でもやるけれども、より正確に作業をやっていることが驚きだった」と話した。ヨルダンの研修員は「無収水量の計算方法など、いろいろな事を学べた。自国では、水の流れが断続的なので、なかなかそういう方法が取れず、計算が難しい。福岡市の事例を見て、非常に勉強になった。(漏水を止める実技をしてみて)水圧が推定よりも高かったので、とても難しかった」と話した。

福岡市水道局実習の様子

 福岡市水道局では、同研修を「人材を育てる研修」として、海外研修員が帰国後に自ら給水環境の改善に取り組むことができるよう技術協力する。

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