映画「劒岳」木村大作監督と浅野忠信さんらが来福会見-監督として初作品

(写真左から)木村大作監督、浅野忠信さん、蟹江一平さん。

(写真左から)木村大作監督、浅野忠信さん、蟹江一平さん。

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 グランド・ハイアット・福岡(福岡市博多区住吉1)で6月11日、映画「劒岳 点の記 -ツルギダケ テンノキ-」の公開に先駆け、主演の浅野忠信さん、蟹江一平さんと監督・撮影の木村大作さんが来福会見を行った。

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 作品は1907(明治40)年、日本地図完成のために前人未到の山・劒岳に測量手として命を賭け挑む男を中心とした仲間たちの物語が雄大な自然をバックに撮影されている。「八甲田山」「駅 STATION」「火宅の人」「鉄道員」など数多くの作品で撮影を務めた木村大作さんが50年の映画人生で監督として初めてメガホンをとった。

 木村監督は「大自然(のロケ)は、自分が思い描く理想の条件になるのを待ってから撮影した。ほぼ順撮りで進めたことは、映画で役者のひげを見ていただければ分かる」と明かした。また「黒澤明監督の言葉ではあるが」と前置きしながら、「映画はこだわり、集中、記憶が大事。その通り、リアリティーと場所、役者にこだわって撮影した」とも。

 劇中の音楽は、バッハやビバルディのバロック音楽の編曲を池辺晋一郎さんに依頼しており、「バロック音楽が200年以上残っているのは、人間の心を揺さぶるからだと思う。大自然に適う音楽だと思うし、撮影中も頭の中を流れていた」(木村監督)と音楽に対する強いこだわりも披露。

 主人公の測量手を演じた浅野さんは「監督から話をいただいたときは、ヘリもCGも使わず実際に山に登っての撮影なので正直『大変だな』と思ったが、監督の熱意を受け、監督に必要とされ、うれしかった。出来上がった作品を見て、もし他の人がこの役をやっていたら許せないと思うし、自分が演じることができよかった。この役をもらって感謝している」と語った。山の案内人役の蟹江さんは「撮影中は過酷な環境でとてもきつかったが、同時に幸せだった。撮影後は、自分自身の気持ちの持ち方が明らかに変わった。10年間俳優をやってきて良かった」と撮影前後の自身の変化を明かした。

 木村監督は「自信がある作品。本物の日本映画と思っている。一人でも多くの方に見ていただきたい」と作品をPR。

 同作品は6月20日、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13ほかで公開。

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