映画「沈まぬ太陽」の公開に先駆けて10月13日、同作に出演した石坂浩二さんと若松節朗監督が来福、会見を行った。
原作は新聞記者の経験を持つ、「白い巨塔」「不毛地帯」などの人気作家・山崎豊子さんの同名小説。舞台は昭和30年代。巨大組織の中で翻弄(ほんろう)されながらも強い信念を持つ主人公・恩地元(渡辺謙さん)の波乱の人生、不条理な企業体質を描く3時間を超える大巨編。石坂さんは、企業の再建を託される国見正之を演じる。
「いろんな意味で日本に問題を投げかける作品になった」と石坂さん。山崎さんの作品については「現状を批判しながらも、最後には望みを残すような『絶望するな』という応援歌のような作品」と感想を明かした。
製作での苦労を問われた若松監督は「膨大なページ数を約3時間に収めるにあたってのシナリオ作り」と即答。「製作中止にもなりかけた」と明かしながらも「原作にほれ込んで参加した役者ばかり。役者にとても助けられた」と振り返った。
完成した作品を見た山崎さんに「『こんなに涙の途切れることのない映画は初めて見た』と、ありがたい言葉をいただいた」(若松監督)とも。
同作は10月24日、ユナイテッドシネマキャナルシティ13ほかで公開。