博多織の専門学校でNPO法人「博多織デベロップメントカレッジ」(福岡市博多区博多駅南1、TEL 092-472-5102)の卒業生が同区御供所町に工房を開設し、博多織の情報発信源としての準備を進めている。
工房を開設するのはこの春2年間の課程を終えた第2期生の脇山俊明さん。小さいころからものづくりが好きだった脇山さんは製造業や団体職員を経て、第1期生の様子がニュースで紹介されたときに名前しか知らなかった「博多織」の道に進むことを決意。同校で2年間勉強してきた。
昨年4月に開設された同校専攻科(御供所町)は今春山王に移転。使用していたビルの1階、約53坪を脇山さんが借り、手機1機と糸繰り機を設置。「HAKATAつくり堂」として博多織の新たな発信源として工房を開設する。
手機で実際に織りながら、博多織が実際にどうやって作られているのかがわかるような工房を目指すほか、商品のオーダーも受ける予定。今後、同校で手織りを目指す卒業生らの情報の発信源として作品を展示するほか、他の伝統工芸などとコラボした商品の展示スペースも検討しているという。
脇山さんは「作り手の思いが、買い手に伝わるよう、コミュニケーションが通じる場所を目指したい」と話し、「芸術とは違い、人のためにつくる作り手として、また博多織として残すべきものと変えていかなければならない部分を感じていただける場所にできたら」と強い思いを寄せる。
また「将来的には手織りのサポートをできる立場になり、ものづくりをしている人々に活動しやすい街づくりに貢献していきたい」と、ものづくりに一石を投じる活動を行うとしている。
工房開設は8月末を予定している。