福岡アジア美術館(福岡市博多区下川端町)7階アジアギャラリーで現在、コレクション展「福岡アジア美術館 開館25周年記念 ベストコレクションII-しなやかな抵抗」が開催されている。
1999(平成11)年に開館し今年で25周年を迎えた同館。同展は25周年を記念したコレクション展で、昨年開催した展覧会「ベストコレクション」展の第2弾として開催。同館の約5000点の所蔵作品の中から、中国、カンボジア、インド、パキスタン、シンガポール出身のアーティスト8人を選出。映像やインスタレーション、絵画など計16点の作品を展示する。選出作家について、同館学芸員の桑原ふみさんは「市民の皆さんに、もっと魅力を知ってほしいという思いから、またジェンダーバランスも意識しながら作家を選んだ。欧米中心の現代アートの世界で道を切り開き、アジアの現代アートには欠かせない作家たち」と話す。
会場では、新たに収蔵し、今回が初公開となる作家ホアン・ヨンピンさんのラクダのはく製を使った作品「駱駝(らくだ)」(2012年、はく製、じゅうたん、針、ひも)のほか、1984年中国・上海生まれで幼少期から日本の漫画やアニメに深く親しんでいたという作家ルー・ヤンさんの「子宮戦士」(2013-14年、アニメーション、11分20秒)、パキスタンの現代細密画家アーイシャ・ハーリドさんの「ビーナスの誕生」(2001年、水彩、金ぱく・紙)などを展示する。
併せて、作品を読み解くためのヒントを紹介したガイドブック「超図解ガイド」も来場者に配布。コレクション展でガイドブックを作るのは初めてだという。桑原さんは「手元に残って、展覧会に来たことを振り返られるようなものを作りたいと今回初めてガイドブックを作った。作品を見るポイントを手助けするものになれば」と話す。
11月16日には同館8階・あじびホールで、ルー・ヤンさんの「アーティストトーク&上映会」のイベントを開催。出品作品や近年の活動について話をするほか、近年の映像作品を上映する。開催時間は14時~16時。参加無料。
桑原さんは「福岡アジア美術館のコレクションに新しく仲間入りした『駱駝』はぜひ見てほしい。アジア美術を語るときに大事なとても重要な作家。この機会に足を運んでもらえれば」と話す。
開館時間は9時30分~18時(金曜・土曜は20時まで)。水曜休館。観覧料は、一般=200円、高大生=150円、中学生以下無料。来年4月8日まで。