ミュージカル「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」が5月3日、博多座(福岡市博多区下川端町)で開幕した。
漫画家・遠藤達哉さん原作の漫画「SPY×FAMILY」をミュージカル化した同作品。漫画「SPY×FAMILY」は2019(平成31)年3月から「少年ジャンプ+」で連載され、コミックスは既刊11巻、累計発行部数3000万部を突破している。昨年4月にはテレビアニメ化された。同ミュージカルは、3月に帝国劇場で初上演され、4月の兵庫公演を経て、最終公演地となる博多座での上演が始まった。
物語は、東国「オスタニア」と西国「ウェスタリス」の冷戦時代を舞台に展開。西国の情報局対東課「WISE(ワイズ)」所属のスパイであるコードネーム「黄昏(たそがれ)」が、東西平和を脅かす危険人物である東国の国家統一党総裁・ドノバン・デズモンドの動向を探るという極秘任務のために、「仮初めの家族」を作るというストーリー。「黄昏」が精神科医・ロイド・フォージャーに扮(ふん)し、「娘」と「妻」候補を探して「普通の家族」を装うために全力を尽くす様子を描く。スパイ「黄昏」で、精神科医・ロイド・フォージャー役を森崎ウィンさんと鈴木拡樹さん、「妻」候補で殺し屋という裏の顔を持つヨル・フォージャー役を唯月ふうかさんと佐々木美玲さん(日向坂46)がダブルキャストで演じる。「娘」候補で心を読むことができる超能力者のアーニャ・フォージャー役は、池村碧彩さんと井澤美遥さん、福地美晴さん、増田梨沙さんが交互に演じる。
同日、初日の夜公演に先立ち行われた報道陣向け取材会で、森崎さん、鈴木さんをはじめとするメインキャスト8人が意気込みを語った。見どころについて、森崎さんは「読者が原作で読み慣れた、見慣れたセリフを各キャラクターがメロディーに乗せて歌っている。そこがミュージカルの面白さなので、注目してもらいたい」と話した。鈴木さんは「オープニングナンバーは大人数で大迫力。何度かアレンジバージョンもあり、キャラクターも増えるので楽しんでもらえたら」と話し「アーニャがいつも元気で、そこに救われている作品。皆さんにもこの明るい元気が届けば」と話した。
現場の雰囲気について唯月さんは「もともと仲は良かったが、回を重ねるごとにもっともっと仲良く、濃くなっていってる。作品の中では『仮初めの家族』だが、芝居の中で本当の家族のような空気感を感じて幸せ」と話す。はじめてのミュージカル出演となった佐々木さんは「普段はグループで活動しているが、ミュージカルでは一人で自信を持って歌わないといけない。稽古の時は声が震えてしようがなかったが、いろんな人に支えられて舞台に立てているので、感謝の気持ちでいっぱい」と話した。
アーニャを演じた子役4人も意気込みを見せたほか、博多でやってみたいことについても話した。食べることが好きだという池村さんと井澤さんは「博多はおいしいものがたくさんあると聞いたので、たくさん食べたい」、福地さんと増田さんは「アーニャを演じるみんなとご飯を食べたり、きれいな所に行ったりしたい」と笑顔を見せた。
初日は、鈴木さん、佐々木さん、井澤さんらが出演し、公演は満員御礼となった。客席は、戦闘シーンでは緊張感に包まれ、コミカルな場面では多くの笑いがあふれるなど、盛況のうちに初日を終えた。カーテンコールではキャストを代表して鈴木さんがあいさつ。鈴木さんは「見た後に温かい気持ちになって帰ってもらえたら」と話した。
料金は、A席=1万5,000円、B席=1万円、C席=5,500円。今月21日まで。