博多座で上演される「二月花形歌舞伎」に出演する松本幸四郎さんが12月25日、福岡を訪れ公演について意気込みを語った。
2018(平成30)年の十代目松本幸四郎の襲名披露以来、約3年ぶり11度目の博多座出演となる。松本幸四郎さんをはじめ、中村歌昇さん、中村壱太郎さん、大谷廣太郎さん、中村米吉さんなど、花形俳優たちが登場する。
上演は、昼の部に曽我兄弟を描いた「曽我物」の舞踊の一つである「正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」と、「忠臣蔵」外伝劇の名作とされる「松浦の太鼓」。夜の部は、真山青果作品である全十編の「元禄(げんろく)忠臣蔵」の中でも人気の高い新歌舞伎「御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)」と、満開の桜が咲き誇る花の名所・上野の山を舞台とした「元禄花見踊」を上演する。
演目について「とてもリアリズムな心理劇でもあり、音楽的でもあり、色彩的にも歌舞伎らしさがあり、いろいろなタイプの歌舞伎をコンパクトに見ていただける公演になっている」と話す松本さん。一座については「この一座はみんな歌舞伎が大好き。どれだけ歌舞伎が好きなんだという思いを皆さんへ伝えることができるか、生でお伝えできるかというのが、この一座の大きな武器だと思う。一つのものがこれだけ好きだという思いを皆さんに見ていただいて、何かを感じていただけるような時間になれば」と思いを語る。
新型コロナウイルスの影響から劇場公演ができなかった期間、zoom歌舞伎という形で新しい歌舞伎を展開してきた松本さん。配信による歌舞伎を経て「映像としての歌舞伎に可能性がある」としながらも、「劇場での公演は、わざわざ時間を作り、その場所まで来ていただき、その時間に合わせて行くということに魅力があると思う。生でやる、生でないと感じられない魅力というものを、しっかりと踏まえて務めたい」と公演に向けて意気込みを語った。
公演期間は2021年2月11日~2月24日。チケットは、A席=1万4,000円、特B席=1万1,000円、B席=8,000円、C席=5,000円。