今年で6回目を迎えるイベント「ウイスキートーク福岡」は、「国内外のすばらしいウイスキーを広めたい」と樋口さんがバーテンダー仲間に呼び掛けて企画した。3年目から、九州のバーや洋酒専門店などで構成するクラブバッカス実行委員会を発足させ、本格的に活動を開始。今年は電気ビル共創館(中央区渡辺通2)で6月21日に開く予定で、有料・無料合わせて約300種のウイスキーが楽しめるほか、生産者らによるセミナーも盛り込む。
1日限定のイベント「ウイスキートーク」に加え、2013年2月からは福岡の「モルトバー」をもっと楽しんでほしいと、福岡市内の複数のバーを巡るスタンプラリー「Malt Odyssey(モルトオデッセイ)」を企画。店舗間のつながりを作るのにも一役買った。
「新しいことに挑戦していきたい」と樋口さん。「バーでの空間や酒が福岡の夜の街をじっくり楽しむ手伝いになれば」と昨年からは中洲のバー未体験の若い世代にターゲットを据え、博多座の公演チケットと中洲のバー利用チケットをセットにして割り引き価格で販売する、福岡市との連携企画も始動した。
樋口さんは「恐る恐る、店に入って来られるお客様が増えた」とニヤリ。「私も初めて入る店のドアを開ける時は緊張する。でもそれが楽しみでもある」と樋口さん。「カウンターで周りを気にしつつ、ソワソワ…分かります」。
同店の名物はモスコミュールとカツサンド。こだわりの食材を使ったカツサンドは来店頻度に関わらず、人気のメニューという。「居心地が悪ければ1杯だけ、10分で帰っても良い。名物のカツサンドを目当てに大人の寄り道として気楽に使っていただければ。1回来てしまえばバーが気軽に楽しめる空間であることを知ってもらえるはず」。
バーテンダーを目指した理由をたずねた。「幼少時ぜんそくを患っていたこともあってか、背中をさすってもらわなくても大丈夫な、自立した『大人』に早くなりたかった」と樋口さん。「大人が楽しむ『バー』を知ったのは高校生の頃。ずっと憧れていた」と振り返る。「自由で何かが変われる空間、福岡の街の魅力の一つでもあるバー。イベントをきっかけに一歩を踏み出して、多いに楽しんでいただければ」と笑顔を見せる。
取材・文/編集部 秋吉真由美
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