特集

アジアのファッション拠点に
福岡発ファッションイベント「福岡アジアコレクション」

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■福岡ブランドの成長に期待

福岡県をアジアのファッション産業の一大拠点にすることを目的に、アパレル企業や教育機関、行政などで発足した「福岡アジアファッション推進会議」が主催するファッションイベント。「ファッション産業集積拠点である福岡の盛り上がりを証明するものを作ろう」と始まった。


今年は、福岡ブランドや福岡を拠点に活動するデザイナー計18ブランドが参加するほか、蛯原友里さん、押切もえさん、山田優さんら国内の人気モデルやアーティストが出演を予定している。「地元・福岡のブランドが有名ブランドと肩を並べることが福岡の成長につながる」と企画運営委員長を務める、大村ファッションデザイン専門学校の吉原一雄校長。


福岡ブランドは、事前に行われるコンテストで福岡の各商業施設のバイヤーの人気投票によって選ばれる。「今年参加する福岡ブランドの約半分は新人。最初は尻込みして出てこないブランドも多かったが、徐々に自信がついたのか、応募も増えて成長を感じる」と話す。最近では、デザイナーの卵である学生からの応募も少なくない。「クオリティーはまだまだ低いが、将来の福岡のファッション界を担う、学生からの応募はうれしい。良い刺激になっているようだ」という。


ファッション業界での活躍を目指す学生にとって、ショー当日は授業では体験できない貴重な実践の場となる。毎年、メークやフィッターなどのアシスタントとして約50人の学生がボランティアで運営に携わる。初回は人数確保に苦労したが、今では希望する学生が定員の3倍になった。「入学前から参加を目的にしている学生もいるほどで、FACoが浸透していると感じる」という。


■今年はファッションウィークも

FACoの集客効果を福岡の経済につなげたい」と3月2日~4月7日の約1カ月、初の試みとなる「ファッションウィーク福岡」が行われる。天神や博多の商業施設やショップ約300店舗が参加し、各施設でファッションショーやスタンプラリーなどのイベントを展開する。


「ファッション業界は流通とメーカーの両方の盛り上がりが必要。FACoはメーカー支援で、ファッションウィークは流通支援。この二つを支援できるイベントに成長したことは重責だが、活動の幅が広がった」と吉原さん。


ガイドブックも制作し、西鉄やJR九州の主要駅を中心に10万部を配布する。「今年は、各施設の情報を一つにまとめて発信するのみだが、来年以降は各施設の連携企画なども検討したい」と話す。


■アジアへ発信

ショーには、多言語ウェブサイト「アジアンビート」内の「カワイイ大使コンテスト」人気投票で選ばれた中国や台湾、タイ、ベトナムで募集した「カワイイ大使」が出演するほか、韓国ブランドのステージなども設ける。現地のファッション雑誌では、特集記事も組まれる予定という。「最近は、アジアでFACoが発信される機会も増え、中国や韓国の企業からショー参加の相談も多い」。


「福岡に限らず、リアルクローズが主流になるにつれ、個性が突出したブランドが減り、ファッション業界も下火になってきた」と吉原さん。「以前の福岡は、古着屋が並び、若い世代がトレンドを知りながらも自分の個性で洋服を選べていた。それが福岡の特徴でもあった。今後は東京の縮小版ではない福岡のファッションを主張していくことが重要。FACoを、低迷するアパレル業界を打ち破る、次世代のファッションを応援する場にしたい」と意気込みを見せる。




取材・文/編集部 秋吉真由美




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