博多の夏の和菓子として親しまれている「博多水無月」の販売開始に伴い、住吉神社(福岡市博多区住吉3)で5月14日、商売繁盛祈願祭が行われ、福岡市和菓子組合の「新福岡・博多の和菓子開発研究会」の関係者らが出席した。
「博多水無月」の販売は1999年、春日市の和菓子の老舗「富貴」の松本弘樹社長が発起人となり、「博多に夏の和菓子の風物詩を」と福岡市和菓子組合の有志で「新福岡・博多の和菓子開発研究会」を組織したのがきかっけ。昔は夏を越すことが一大事とされており、6月30日を半年の「晦日(みそか)」とし、大はらいが行われており、水無月(和菓子)を食べることによって夏を乗り切ったということから、毎年同神社で商売繁盛を祈願し奉納を行っている。
「小豆とワラビ粉を主原料とし、笹で巻く」という決め事のみで、今年は市内を中心に那珂川町や春日市、筑紫野市、太宰府市、福津市の30店舗がそれぞれの店舗の職人が趣向を凝らし、それぞれの店舗で販売する。また、6月1日~8日には福岡三越で、10日~16日に岩田屋本店で、それぞれ博多水無月を集め販売を行う。
組合の理事長を務め、現在研究会を取りまとめる春吉の和菓子屋「花月堂寿永」の五島郁太郎さんは「毎年地道にやってきたことで認知が少しずつ広がり、今や心待ちにしてくれる人も増えた。博多のスタンダードを目指して山笠のプロローグになるよう、さらに根付いていけば」と話す。
「博多水無月」は、研究会加盟店全30店舗で7月31日まで限定販売するほか、同日同神社で行われる「名越大祭」でも数量限定で振る舞う予定だという。