
株式会社クアンド(本社:福岡県北九州市、代表取締役CEO:下岡 純一郎)が提供する遠隔支援ツール「SynQ Remote(以下、シンクリモート)」は、ハウスプラス住宅保証株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴川 哲夫)が行う建築確認検査における遠隔運用(国土交通省の枠組みに沿う「リモートB」)に採用され、2024年5月より複数エリアで本格運用されています。
法適合性の判断という高い責任を伴う領域において、同社は検査品質の担保を最優先に運用設計を行い、遠隔での確認・記録精度を保ちながら、移動負担を最小化する体制を構築しています。本取り組みは、指定確認検査機関における制度枠組み準拠の実装事例として、今後の遠隔検査の運用設計・横展開に資する知見を含むものです。
背景:検査提供の継続を阻むボトルネックは「移動」と「人材」
建築確認検査は、有資格者による法適合性の判断が求められる一方で、検査員の高齢化や人材不足により、担当エリアの拡大が難しい状況が続いています。遠隔地では特に移動負担が重く、取引先の全国展開ニーズに合わせた柔軟な検査提供が課題となっていました。
ハウスプラス住宅保証はこうした状況を踏まえ、国の制度枠組みに沿って遠隔での検査運用を段階的に構築し、「リモートB※」として本格運用を開始しました。
※デジタル技術を活用した建築基準法に基づく完了検査等の遠隔実施について(リモート検査の推進)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_fr_000149.html
取り組み概要:国土交通省の制度枠組み「リモートB」に沿った運用設計
ハウスプラス住宅保証が本格運用している「リモートB」は、現地に立会者と補助員が入り、遠隔側で有資格検査員が映像をもとに判断する方式です。
シンクリモートを活用し、スマートフォンで現場と接続。ポインタ機能などにより「どこを見ているか」を遠隔と現地で揃え、見落としリスクを低減しながら、検査の判断・記録の精度を担保しています。
◆運用上の主な工夫(品質担保のための設計)
・補助員(撮影担当)の固定:同じ補助員と繰り返し実施することで、検査ポイントや撮影の勘どころを共有し、再現性を高める
・手順の標準化:初期は図面への書き込み等も活用し、段階的にパターン化・平準化を進める
・簡便な端末設計:検査体制を大規模に展開する前提で、スマートフォン中心の運用とし、導入・教育負担を抑える

リモート検査時の様子
導入効果:品質担保を前提に「稼働」と「対応範囲」を拡張
本取り組みにより、ハウスプラス住宅保証では次の効果が確認されています。
1)遠隔地での検査提供を継続可能に
遠隔地(例:福岡など)でもリモートで検査実施が可能となり、取引先の全国展開に合わせた検査提供の機会損失を抑制。エリアの壁を越えた提供体制の構築につながっています。
2)移動時間の圧縮による稼働効率の改善
従来、移動を含めて2日で1~2件が限界となるケースがあった検査が、運用設計次第で半日で2~3件実施できる日もあるなど、稼働の組み方に選択肢が生まれています。
3)対面同等の検査時間を維持しながらの効率化
効率化のために検査の中身を薄めるのではなく、現地の補助員と有資格検査員が役割分担して連携することで、対面と同程度の検査時間(30分程度)を維持しながら品質を担保した運用が可能になっています。
今後の展望:立会者も遠隔参加する「リモートC」を視野に検討
同社は次のステップとして、現地には補助員のみが入り、遠隔側に有資格検査員と立会者(事業者)が参加する「リモートC」も視野に、協力的な事業者と実証的な検討を進める方針です。
実現すれば、現場監督等の立会のための移動負担軽減や、日程調整の柔軟化など、現場側・検査側双方にメリットが期待されます。一方で、鍵管理や無人現場でのトラブル時の責任整理など、運用論点の整理が重要になるため、段階的な試行を通じて検討を深めていきます。
※「リモートC」とは、現地は補助員(撮影役)のみで、検査員と立会者それぞれがオンライン参加し、現場に立会者が行かずに検査を行う方式

「建築確認検査は“見れば分かる”では済まされない領域であり、リモート化においても品質担保を最優先に設計しました。補助員の固定や手順の標準化を重ね、制度枠組みに沿う『リモートB』として段階的に実装できています。今後は、関係者合意と運用設計を前提に、立会者も遠隔参加する次のステージも検討していきたいと考えています。」
ハウスプラス住宅保証株式会社 審査統括室 向井様
ハウスプラス住宅保証株式会社について
建築基準法に基づく建築確認検査をはじめ、住宅性能評価、住宅瑕疵担保責任保険などを担う指定確認検査機関です。本社は東京都港区にあり、仙台・名古屋・大阪・福岡にも拠点を展開。全国で年間約15,000件の建築確認検査を実施し、法適合性の判断という高い責任を伴う業務を、品質を守りながら安定的に提供しています。
所在地: 東京都港区海岸1丁目11番1号 ニューピア竹芝ノースタワー17階・18階
代表者:代表取締役社長 鈴川 哲夫
事業内容:特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく保険法人業務、建築確認業務等
公式サイト:https://www.houseplus.co.jp/hpj/
導入事例はこちら
遠隔でも判断がぶれない仕組みを整え、暮らしの安全・安心を守り続ける。
建築確認検査は、ただ「見える」だけでは成り立ちません。図面と現場の差異を見抜き、法に照らして判断し、その根拠を記録として残す。その一つひとつが、暮らしの安全・安心につながっています。
ハウスプラス住宅保証のリモート検査は、効率化のために品質を妥協する取り組みではありません。有資格検査員の判断を軸に、現地にいる補助員の視点と動きを重ね合わせることで、遠隔でも「同じものを見て、同じ基準で判断できる」状態をつくっています。シンクリモートは、そのための“現場の共通言語”として機能します。
移動が減っても、判断が薄まるわけではない。むしろ、本質に集中できる時間が増えていく。
シンクリモートはこれからも、品質を守るための運用づくりとともに、現場の実装を支援していきます。
株式会社クアンド(英文社名:QUANDO,Inc.)
「地域産業・レガシー産業のアップデート」をミッションに掲げる福岡・北九州発のスタートアップ。経済産業省のスタートアップ育成プログラムJ-Startup2023の選定企業に認定。2024年12月に宮崎県の建設関連業「南都技研」をM&Aし、SaaS×リアル産業との融合により、人手不足の解決と新たな価値創造に挑む。
創業:2017年4月25日
所在地:福岡県北九州市八幡東区枝光2-7-32
事業内容:現場向けプロダクト「SynQ(SynQ Remote/SynQ Judgement/SynQRemote Agent)」開発・提供
代表者:代表取締役CEO 下岡 純一郎
企業HP:https://www.quando.jp/
製品紹介:https://www.synq-platform.com/