公益財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)では、令和6年度より地域DX共創事業「DX LAB KTQ」を開始しています。
DX LAB KTQの一環として地域DX共創活動助成金を設立し、この度、交付団体を決定しましたので、交付団体活動内容の紹介をはじめ、DXに取り組む方々を対象としたキックオフイベントを10月24日に開催します。
北九州地域DX共創活動キックオフイベントについて
キックオフイベントでは北九州地域内における共創活動内容の紹介のみならず、国内でも同様に共創活動に取り組まれているゲストをお迎えするトークセッションを行い、地域内外の課題感のすり合わせや地域ならではの活動についても深掘りしていきます。
【日時】令和6年10月24日(木)15:00-17:15(終了後、会場内で交流会)
【場所】COMPASS小倉(北九州市小倉北区浅野3-8-1 AIMビル6階)
【会費】無料
【対象】共創によるデジタル化・DXに興味関心のある方
【定員】50名
【プログラム(予定)】
- 地域DX共創事業(DX LAB KTQ)についての紹介
- トークセッション「共創で取り組むDXの意義とは?」
- - 登壇者/モデレータ
一般社団法人製造DX協会 代表理事
株式会社エスマット 代表取締役
林 英俊 様
北九州IoT実践研究会 主宰
株式会社戸畑ターレット工作所 DX推進課 課長
中野 貴敏 様
モデレータ
9 Capital 代表
竹山 将志 様
- 北九州地域DX共創活動者によるピッチ
- 交流会
イベントお申し込みについて
下記ページよりお申し込みください。
https://www.ksrp.or.jp/robo-dx/form/index.php?form=53
イベントチラシ(PDF)はこちら
地域DX共創事業「DX LAB KTQ」の背景と目的
北九州地域におけるデジタル化・DX推進状況
FAISでは「北九州市ロボット・DX推進センター」および「北九州市DX推進プラットフォーム」の運営、DX推進補助金の実施などを通じてこれまでも地域内のDXを推進してきました。
一方で、北九州市中小企業振興課が実施した令和4年度北九州市中小企業実態調査では、回答のあった8,964社のうち、デジタル化・DXに取り組んでいるのは「既に取り組んでいる」「今後取り組む予定」を合わせても24.8%に留まり、「今はまだ考えていない」との回答は63.9%にのぼっています。
北九州市中小企業振興課『令和4年度北九州市中小企業実態調査』( https://www.city.kitakyushu.lg.jp/san-kei/10700359.html )
中小企業庁が発行した2023年版小規模企業白書によれば、デジタル化に取り組んだきっかけの多くは「支援機関からの推奨」「取引先からのデジタル化の対応要請」「周囲の経営者からの推奨」などの外発的動機づけが多く、「社内からのデジタル化に対する要望」という内発的動機づけに比べ割合も低いことから、大半の企業では、自ら率先してデジタル化に取り組んでいるわけではなく、周囲の後押しやサポートを受けながらデジタル化を進めている実情が浮かび上がります。
2023年版小規模企業白書( https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/shokibo/b2_2_2.html )を元に作成
FAISでは、2020年7月の北九州市テレワークサポートセンター(現在は北九州市デジタル相談窓口に改称)開設以降、300社を超える地域中小企業のデジタル化・DXを支援してきましたが、その相談きっかけのほぼ半数が他からの紹介であったことから、北九州市内においても全国と同様に周囲の後押しやサポートがデジタル化に取り組むにあたり重要であることが分かりました。
加えて、これまで相談対応した企業の皆様からは「社内にデジタル人材がおらず取り組めない」「社内でデジタル人材が孤立している」「自社単独では業界の商習慣等を打開できない」「IT企業を知らない、付き合い方が分からない」といった、個社で取り組む限界やハードルについての声が寄せられています。
こうした声を受け、FAISでは令和6年度に地域DX共創事業「DX LAB KTQ」を開始しました。
「DX LAB KTQ」の目的
DX LAB KTQでは、共創活動に取り組む主体者の発掘から関係性の構築を目的とした場の提供、共創活動団体の広報、課題整理支援や課題解決に向けたソリューション提供企業(IT企業やスタートアップ等)とのマッチング、解決策の共同構築・検証のコーディネートなどを実施します。
この事業を通じ、周囲からの後押しやサポートの輪を広げ、地域内の企業がよりデジタル化・DXに取り組みやすい環境を構築し、北九州地域全体のDXを推進していきます。
これまでの取り組み
北九州DXツアーの開催
DX LAB KTQでは、まず、デジタル化・DXについての知見を深めるため、北九州地域内で先進的に取り組まれている企業へ実際に訪問し、現地で事例の説明を受ける「北九州DXツアー」を開催。機械金属加工、食品製造、廃棄物収集、不動産といった多様な業界におけるデジタル化・DXの取り組み状況を共有しました。
各回とも定員を越えたお申込みをいただき、視察先の取り組みのご説明や現場の様子に熱心に耳を傾けられていたほか、質疑応答も活発に行われていました。
<参加者の声(一部抜粋)>
- 同業者の社内システム事情は大変興味深く参考になりました。
成功体験を積み重ねていって自分達にも出来るという意識を持たせることは会社全体で進めて行くためにも良いと思いました。
DXを最前線で取り組んでいる企業を拝見し、難しいことに取り組むのではなく、自分たちの問題は何でそうすれば効率が上がるのかという視点を持つことの重要性を感じた。
デジタル化・DXに向けた課題整理ワークショップの開催
次に、自社の課題を抽出・整理と共に、他社との共創を体験するワークショップを開催、参加者同士課題を共有しました。
このワークショップでは、社内でデジタル化やDXに取り組んでいる方、これから取り組もうとする方が、自社の課題を具体的に洗い出し、整理することで次のステップに進むための明確な道筋を見つけることを目的としています。
イベントではまず株式会社kubell(2024/7/1にChatwork株式会社より社名変更)様にご登壇いただき、多くの中小企業DXに向き合ってきたからこそ辿り着いた課題解決の手法や考え方についてお話いただきました。交流会ではワークショップの振り返りだけでなく、活発な意見交換が行われており、今後のコミュニティとしての拡がりも感じることが出来ました。
地域DX共創活動助成金の設立
これまでの取組みを踏まえ、令和6年8月にはデジタル化・DXに関する共創活動に取り組む団体を支援するための地域DX共創活動助成金を設立、活動テーマの募集を行いました。
地域DX共創活動助成金では、デジタル化/DXを通じ、同業種あるいは異業種の他事業者との非競争領域におけるノウハウの共有や共通課題の解決に向けた共創といった活動を支援。応募の中から5つの団体を採択し、交付を行いました。
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<交付団体一覧(団体50音順)>
北九州IoT実践研究会<代表法人>
(株)戸畑ターレット工作所
<活動テーマ>
サイバー攻撃から身を守るサイバーセキュリティーBCP研修
ケア共創ネットワーク<代表法人>
(同)共創テクノロジー
<活動テーマ>
自助具のデジタル化とオープンプラットフォームによるノウハウ共有を目指した3Dプリンタ導入トライアルと評価検証プロジェクト:企業連携による自助具デジタル化促進研究会の発足
製造業IoT活用研究会<代表法人>
イジゲングループ(株)
<活動テーマ>
製造業IoTの導入及び実証実験
西日本医療デジタル研究会<代表法人>
(株)佐々木総研
<活動テーマ>
クリニックや診療所の医療DX・デジタル化に関する研究
早稲田大学IPS・北九州コンソーシアム<代表法人>
早稲田大学
<活動テーマ>
官民一体となった強い組織づくりとDX推進のためのワークショップ
今後の取組み
10月24日のキックオフを経て、12月には共創活動の実施状況の共有およびサポーターとのマッチングを兼ねたイベントを開催、令和7年3月には今年度の活動総括と令和7年度に向けた方針発表会を予定しております。
また、10月24日に登壇いただく地域DX共創活動団体へのサポートに留まらず、今後も北九州地域内のコミュニティを拡げ、デジタル化・DXに取り組まれる方々が相互に支え合う事が出来る場の構築を推進してまいります。これにより、DX推進補助金やデジタル相談窓口といった個社への支援とともに、地域全体でのDX推進、すなわち地域DXへの後押しを進めてまいります。
公益財団法人北九州産業学術推進機構
本件に関するお問い合わせ、取材のお申し込みは下記までお願いいたします。
公益財団法人北九州産業学術推進機構 ロボット・DX推進センター
担当:松本、糸川
Mail: iipc@ksrp.or.jp TEL:093-695-3077