
福岡空港国際線旅客ターミナルビルの北側増築部が3月28日、グランドオープンした。
福岡国際空港は「東アジアトップクラスの国際空港」を掲げ2022年5月から「福岡空港国際線ターミナルビル等増改築工事」を行ってきた。同工事で、空港ターミナル容量は延べ床面積約7万3000平方メートルから約13万6000平方メートルと、既存施設の約2倍に拡張する。これまでに、立体駐車場の新設、北側コンコース延伸、自動手荷物預け機(SBD)の導入、昨年12月にはバスターミナル機能を持つアクセスホールの供用を始めている。今回、出国審査場と保安検査場の移転拡張、免税店エリアの移転拡張やフードホールの新設などが完了し、グランドオープンを迎えた。
保安検査場は移転拡張し、面積が約5倍となった。保安検査レーンは、手荷物を載せたトレーを自動で運ぶ「スマートレーン」を7台全てのレーンに導入する。複数の乗客が同時に検査準備でき、処理能力がこれまでの約2倍になるという。
出国審査場を通過したエリアには、従来の約4倍の広さに移転拡張し免税店が並ぶウオークスルー型の免税店エリアを設けた。同空港初出店の45ブランドを含む計129のコスメ・ファッションブランドなどをそろえる。同エリア中央には八女ちょうちんや博多織、酒だるなどで装飾した高さ約9メートルのシンボルオブジェ「YAGURA」を設けるほか、搭乗口近くに福岡・九州の食を楽しめるフードホール「HAKATA FOOD HALL」を新設。フードホール出店店舗は、うどん居酒屋「釜喜利うどん」、ハンバーグ・カフェ「レイリー」、焼鳥・うなぎを提供する「博多ぐるぐるとりかわ&うなぎ竹乃屋」、「博多長浜海鮮丼 うみの食堂」、「天ぷら×焼餃子(ギョーザ) 屋台◎まるに」、「元祖もつ鍋 楽天地」、「和心とんかつ あんず」、「博多ラーメン専門店 幸ちゃんラーメン」の8店舗。
3月27日に行われた内覧会で、同社経営企画本部国際施設開発推進部の鰺坂裕子部長は「『心地良い空間でお客さまをお迎えしたい』という思いで進めてきた。お客さまにまた利用したいと選ばれ、地域の皆さんに愛されるオンリーワンの空港を目指していきたい」とグランドオープンへの思いを話した。
3月28日のグランドオープンでは、福岡県内市町村のキャラクターや関係者が到着客を迎え、記念品の配布や写真撮影、八女茶の試飲イベントを実施。田川真司社長は「福岡空港にしかない商品や福岡・九州の産品をそろえ、内装も福岡らしさを感じられる空間になるよう演出した。唯一無二の存在にしていきたい」と意気込みを見せた。「海外に行く方しかなかなか入れないエリアなので、できる限り海外に行っていただいて楽しんでもらえたら」と利用を呼びかけた。