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福岡・中洲の「大洋映画劇場」、3月末で取り壊し さよなら興行実施へ

「大洋映画劇場」外観

「大洋映画劇場」外観

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  「大洋映画劇場」(福岡市博多区中洲4)が3月31日、建物老朽化に伴い取り壊しとなる。3月は「さよなら興行」として過去に同館で上映した映画を中心にリバイバル企画を行う。

同劇場のアルバイトスタッフが手書きのイラストで作成した、取り壊しのお知らせを伝える告知ボード

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 大洋映画劇場は1946(昭和21)年4月、アメリカの映画協会「セントラル」との日本第一号契約館としてオープンした。開業時のオープニング上映作品はチャールズ・チャップリンの「黄金狂時代」。同館創業者の岡部重蔵さんが1952(昭和27)年に木造から現在の鉄筋4階建てビルに改築した。「中洲の映画文化のシンボル」として親しまれた同館は、2023年度の「第30回福岡市都市景観賞」特別賞を受賞した。副支配人の大石尋樹さんは「劇場という言葉が似合う」と話す。

 洋画・邦画問わず、シネコン映画からミニシアター映画まで幅広く上映する同館は、2階にロビーと、301人収容の一番広いスクリーン「大洋1」、4階にエントランスホールと3スクリーン「大洋2」「大洋3」「大洋4」を備え、1階「キネマカフェ」では映画チケット販売も行う。大石さんは「長くやっているので、最近は3世代で来てくれるお客さまもいる」と話す。創業78年を経て今年3月31日、建物老朽化に伴い取り壊しとなる。営業再開は未定という。

 これまでの感謝の気持ちを込め、3月1日~3月31日の1カ月間は「さよなら興行」として同館で上映した作品を中心に全22作品のリバイバル上映を行う。料金は1作品=1,000円(招待券・ポイント利用不可、無料鑑賞不可)。

 同館総務担当の岡部章子さんは「お客さまに来てもらってやっとここまで営業を続けることができている。(さよなら興行の)作品は感謝の気持ちを込めて選んでいるので、昔を思い出しに来てもらえたら。若い人たちや1回も来たことが無い世代の人たちにも、最後だがこういった劇場があるよ、昔こういった中で映画って上映してたよ、ということを少しでも伝えたい」と話す。

 さよなら興行の上映ラインアップは、3月1日~7日=「世界にひとつのプレイブック」「ラ・ラ・ランド」「コーダ あいのうた」、3月8日~14日=「映画めんたいぴりり」「映画めんたいぴりり~パンジーの花」「凪待ち (PG12)」「半世界」「ミッドナイトスワン」、3月15日~21日=「機動戦士ガンダムⅠ」「機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編」「機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」「おくりびと」「男はつらいよ お帰り 寅さん」「キネマの神様」、3月22日~28日=同館歴代動員数第2位の「ボディガード」のほか、「ニュー・シネマ・パラダイス (PG12)」「グレイテスト・ショーマン」「ボヘミアン・ラプソディ」、3月29日~31日=チャールズ・チャップリンの「独裁者」「街の灯」、最後は「黄金狂時代」で締めくくる予定。

 岡部さんは「映画の配信系は、ながら見や倍速で見られたりして、それはそれで便利で良いと思うが、映画館で大きなスクリーンでそこにずっと没頭して見られる、映画の世界に浸るには良い環境だと思うので、そういったところが少しでも若い世代に伝われば。『良かったー』と笑顔で帰っていただけたらうれしい。『あそこでこの映画観たな』という体験を話し伝えていってほしい」と話す。大石さんは「中洲大洋がここにあったよ、というのを覚えていてほしい。楽しく明るく終わりたい」と笑顔を見せる。

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