那珂川沿いに「中洲 夜の美術館」-工事中の景観にも博多のにぎわいを

無機質な工事フェンスが一転、川沿いを明るい雰囲気にしている。中洲を行き交う人々も絵を眺めながら通っていた。

無機質な工事フェンスが一転、川沿いを明るい雰囲気にしている。中洲を行き交う人々も絵を眺めながら通っていた。

  • 0

  •  

 福岡市の中央を流れる那珂川の工事用の柵を使って昨年末から「中洲 夜の博物館」が「開館」し、夜の中洲を行き交う人々の目を楽しませている。

[広告]

 博物館では福岡市近郊の大学・専門学校・高校・福祉施設の計8校から大小合わせて28枚の絵画を展示。大きいのものは約2メートル四方にもなる。昨年8月中旬の豪雨による災害復旧のために高さ3メートルの白い工事防護柵を設置し、県が工事を進めてきた。

 柵が設置された中洲4丁目の同所は河川沿いの公園で、「町民の皆さんが殺風景で寂しいという話になった」(同自治会の樋口雅兄会長)ことから、県に相談。「地元の皆さんも喜んでいただけるように」と同10月下旬から話し合い、県土木事務所が県下の美術系の学校に電話で1校1校提案したという。

 絵画は各校3枚ずつで、1枚は地元博多にゆかりのあるもの、残り2枚を自由なテーマで描いてもらった。190メートルにわたる防護柵には、どんたくや山笠をモチーフにしたものに加え、色とりどりの絵が並ぶ。

 福岡県福岡土木事務所河川砂防課技術主査の梅崎直さんは「工事現場と教育現場のコラボレーション。展示された絵を見に来てもらって、皆さんの心が癒されたり、少しでも豊かになってもらえれば」と話し、樋口会長も「工事現場で公園がないが、少しでも人通りが増えてくれたら」と期待を寄せる。

 設置場所は中洲4丁目の西大橋交差点から春吉橋までの一方通行。夕方から明け方までも絵画はライトアップしている。工事が終わる5月ごろまで設置される。

ピックアップ

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース