ホテル日航福岡(福岡市博多区博多駅前2)で1月10日、再発した乳がんの治療と出産との狭間で葛藤(かっとう)する外科医とその夫の姿を描いた映画「余命」の記者会見が行われ、主演の松雪泰子さんが見どころなどを語った。
同作品は、谷村志穂さんの同名小説を「3年B組金八先生」シリーズや「手紙」などを手がけた生野慈朗監督が映画化。外科医の百田滴(松雪さん)が結婚10年目に待望の子どもを授かった喜びも束の間、結婚前に患った乳がんを再発し、子どもをあきらめて治療に専念するか、ガンを進行させても子どもを産むかで葛藤する女性の生き様を描く人間ドラマ。主人公に松雪さん、夫役を椎名吉平さんが演じる。そのほかの出演は、林遣都さん、奥貫薫さん、橋爪功さん、市川実和子さん、宮崎美子さんら。
映画の出演について松雪さんは「苦しみながらでも人生から逃げないで生き抜いていく女性に引かれる。自分で映画を見ていても、メッセージ性の強い作品に生きる力をもらえたりするので、この映画を通して何か少しでもメッセージが伝えられたら」と話し、出演を通じて「(この世に生を受けて)どんな困難にもあきらめずに生き抜いて人生を寄りよいものにしていくのも自分自身の意思。それで全うできたと思えるような人生を送りたいと強く思った」とも話した。
地元九州のファンへは「九州の皆さんはとても生命力あふれる人が多いと思う。福岡に降りて駅に降りて、九州のエネルギーはいいなと思った。本当に愛・命・家族・夫婦のきずなについてさまざまなことを感じていただけると思う」と話し、「パートナーと見てほしい。女性はいつそうなるかわからないし、もしそうなった時にどういう風に接してあげるか、パートナーに何かあったときに、それをどうやって乗り越えていくのかということも感じてもらえると思う」とも。
同作品は2月7日から、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13のほか、全国の劇場で公開予定。