2011年春に全線開通を目指す九州新幹線の開通に向けて新駅の工事が進む博多駅では、大型の工事用タワークレーンが立ち並び、周辺のランドマークになっている。大博通りや駅前通りをはじめ、林立する巨大なクレーンを見上げる姿も目に付く。
2007年からスタートした駅の工事では、1日約1,000本の列車を通常運行させながら駅舎を建て替えるという難しい工事が日々進んでいる。現在は5月末に新たに設置された分も含め、計10基のクレーンが並び、九州新幹線専用のタワークレーンと駅前広場地下工事に使用される自走式のクローラークレーンを除く8基に愛称が付けられている。
クレーンの運転席部分にプレートとマークが描かれており、山陽・九州直通新幹線の愛称に決定した「さくら」をはじめ、「つばめ」「かもめ」「ハウステンボス」「ゆふいんの森」「はやとの風」「SONIC」、それにJR九州が博多~釜山間を運航する高速船「BEETLE」の名前が付けられている。
通常の工事現場では1号機、2号機あるいは愛称名などをつけて呼ばれるというが、「JR九州の駅ビル工事なので列車の愛称をつけ、関係者以外の方々にもわかりやすいように」(同社広報室)と愛称を付けたという。新駅の高さも約60メートルを予定しているが、クレーンも地上高は最高60~70メートルに達するという。クレーンは来春まで稼働の見込み。
既に郵便局側の一部は外壁が見えるなどしており、広報室では「工事は概ね順調に進ちょくしており、2011年春の開業に向け全力で工事を進めているのでご期待いただければ」と話す。仮設構造の軌道を新駅ビル本体で受け換える作業を行っており、今年末まで駅ビルの躯体(くたい)工事が予定されている。間もなく駅前広場の整備にも着手する。
また7月11日には、昨年に引き続き博多祇園山笠の「他流舁き(たながれがき)」で、東流がJR博多駅・博多口駅前広場に舁き入れる。