博多町家ふるさと館で「博多曲物展」-女性曲物師の作品を展示・販売

スギやヒノキなど薄い木材を使用し、湯につけ、サクラの皮で継ぎ目を閉じた「博多曲物」。約60点を展示。

スギやヒノキなど薄い木材を使用し、湯につけ、サクラの皮で継ぎ目を閉じた「博多曲物」。約60点を展示。

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 「博多町家」ふるさと館(福岡市博多区冷泉町、TEL 092-281-7761)の展示棟2階で6月1日より、博多の伝統工芸の一つである「博多曲物」を紹介する企画展が始まった。同展は、同館で伝統工芸を実演する作家らの技術を紹介する「博多伝統工芸の世界」と題した企画展で、開催は5回目。

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 博多曲物は、973年に筥崎宮(東区)が創建されてから儀式に使われる祭具として作られた。次第に一般の儀式、日用品として使われるようになったが、高度成長とともに需要が減り、戦前20以上あった博多曲物の製造は、現在では二つが残るのみとなった。

 今回の展示ではその中の一つで、現在18代目を継承した女性の曲物師・柴田玉樹さんの作品を中心に約60点を展示。ほかにも筥崎宮所蔵の祭具や、世界的な陶芸家として知られるバーナード・リーチさんが絵付けした作品も展示する。ほかに曲物の制作に使う道具や、制作過程も紹介している。

 最近ではワインクーラーや一輪差しなどの作品も作っているほか、茶道具としても見直されている。学芸員の山田弘明さんは「10年は持つと言われる博多曲物の木の温もりが、多くの人に見直されるきっかけになれば」と話す。

 柴田さんの曲物は同館の「みやげ処」でも販売しており、随時商品を増やしていく予定。商品はミニ写真立て(840円)や銘々皿(1,260円)のほか、弁当箱や一輪差しなどをそろえる。

 開館時間は10時~18時(最終日は17時30分まで)。入館料は、一般=200円、中学生以下、65歳以上=無料。6月29日まで。恒例となった長谷川館長と作家らの対談「車座談義」も、柴田さんを交えて今月6日に開催。13時30分~15時。参加無料(要予約)。

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