グランド・ハイアット・福岡(福岡市博多区住吉1)で5月27日、映画「真夏のオリオン」の記者会見で主演の玉木宏さんと、監修・脚色を担当した福井晴敏さんが来福し、作品の見どころを語った。
同作品は1996年の池上司さんのデビュー小説「雷撃震度一九・五」を原作に、「亡国のイージス」「ローレライ」を手がけた福井晴敏さんが監修、オリジナルの要素を加え脚色。篠原哲雄さんが監督を務める。第二次世界大戦の最中、アメリカ海軍駆逐艦と過酷な戦闘を繰り広げる日本海軍潜水艦の乗組員たちの姿を描く。映画初出演となるケミストリーの堂珍嘉邦さん、玉木さん演じる倉本艦長に思いを寄せるヒロインと孫娘役を1人2役で演じる北川景子さんらが脇を固める。
会見で玉木さんは「俳優業でいずれ(戦争を描いた作品に)かかわりたいと思っていた。実際に(広島に行き)見たり、戦時中の話を聞くなどして、責任感がどんどんわいてきた」と役作りを徹底したことを明かした。
脚色について福井さんは「今の我々にとっては何も関係のない時代を、今のお客さんが見て明日のために何か役に立つことを盛り込みたかった。制作中まさに『戦後最大の危機』と叫ばれていたが、その前の危機こそがこの作品だと思う」と話し、「今の時代を生きていく私たちに、明日も生き延びるために、当時を生き抜いた人たちの姿をみて、何か得るものがあるのではないか。どんな局面でも部下たちに安心させるリーダー像が増えてほしいとの願いも込めて作った」と力を込めた。
福井さんは「人がどうやって死んでいったかではなく、どうやって生きて、日々笑いあってしのいできたかを、玉木さんに当てはめてキャラクターを作っていった」とした上で、「玉木さんの食べっぷりも最大の見どころ」と話し会場の笑いを誘った。同じく玉木さんも「潜水艦には家族的なアットホームな側面もあると思し、国のために命を捧げるというテーマではなく…生きるために戦うという新しい形で描かれている作品。今の時代だからこそ、この作品に意味があると思う」とPRした。
同作品は6月13日から、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13のほか全国の劇場で公開予定。