麻生工科自動車大学校、学生が「モスクカー」をデザイン 東京五輪の活用視野に

最優秀賞を受賞した2年・本郷和也さんのモスクイメージ。日本の風景やカタールの映像を上映する大型モニターを設置するアイデアを盛り込む

最優秀賞を受賞した2年・本郷和也さんのモスクイメージ。日本の風景やカタールの映像を上映する大型モニターを設置するアイデアを盛り込む

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 2020年に開かれる東京五輪での活用を目指し、麻生工科自動車大学校(福岡市博多区東比恵2)の学生が現在、移動式モスクを開発する「モバイルモスクカープロジェクト」に取り組んでいる。

優秀デザインに選ばれた学生5人

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 「モバイルモスクカー」とは、YASUPROJECT(東京都)が中東カタールの企業と製造を進めている、大型トラックを改良してモスク(イスラム教の礼拝所)を備えた車両。同社によると移動式のモスクの開発は世界初という。

 同社の呼び掛けで同校の学生が車両デザインを担当。デザインの提案には、自動車工学・機械設計科1・2年生の7人が参加した。授業の傍ら、6月の1カ月間で、「日本の『和』の心」「平和の『和』」をテーマにアイデアを練り、「温泉」「ししおどし」「傘」「畳」などの「和」の要素を盛り込むなど、個性豊かなデザインがそろった。

 7月15日、同校で優秀作品の表彰式が開かれ、3人が最優秀賞に選ばれた。エンターテインメント用部門で最優秀賞を受賞した2年の日高怜さんは「モスクとは何かを勉強するところからのスタートだった」と振り返り、「苦労したが貴重な経験だった」と話す。

 「社会に出ると、いろいろな国々の人と触れ合う機会があるはず。日本と世界の文化の違いを考える機会になったのでは」と野見山秀樹校長。今後は、福岡のデザイン会社「春高デザイン」(大名1)や坪井特殊車体(静岡県)らが加わり、学生のデザイン案を採用したモスクカーを製造し、来年中の実用化を目指す。将来的には2020年の東京五輪、2022年のカタールワールドカップで活用できるよう進めたいという。

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