4月21日開業の博多マルイ（福岡市博多区博多駅中央街）には、熊本地震で被災した企業も開店準備を進めている。

1階入り口そばに「由布院ミルヒ」

　18日に開かれた内覧会で「大渋滞の中、何とか商品を持ってこられた」と話したのは、2階に和菓子店「きなこーや」を出店した「みはら」（熊本市中央区）の三原明子社長。わらび餅を入れて巻いたロールケーキ「きなこーやロール」（864円）を看板商品に、わらび餅や和三盆プリン、クッキー、きな粉餅など「和」のスイーツをそろえ、パッケージデザインを博多限定のデザインにするなど準備を進めてきた。

　新店舗開業へラストスパートという14日、熊本地震に見舞われた。「熊本市内の本店は水もガスも出ず、営業を停止している状況」と三原社長。「従業員も被災しているので、（同店開店の）準備は少人数で」と表情は曇るが、「何とか開店にこぎ着けた。頑張らなきゃ」と笑顔も見せる。

　1階の期間限定ショップの区画には、大分県の湯布院から洋菓子店「由布院ミルヒ」が本店以外で初出店する。「ミルヒ」はドイツ語で牛乳の意味で、看板商品のチーズスフレとジェノワーズ、クランブルの3層構造となった「ケーゼクーヘン」（120円）や同店限定の「パティシエがつくった ぷりんソフトクリーム」、湯布院産牛乳を使ったプリン「ミルヒプディング」（以上300円）などをそろえる。

　運営する「ミルヒジャパン」（由布市湯布院町）の河越祐人社長は、「ソフトクリームサーバーが倒れるなどの被害があった」と明かし、「片付けに追われたが何とか生産体制を整えて営業を再開できている」という。「頑張っているところをPRしたい」と意気込みを見せる。