来年2月に博多座(福岡市博多区下川端町2)で上演される「二月花形歌舞伎」に出演する市川染五郎さんが12月9日、公演に先駆けて意気込みを語った。
演目は、1815(文化12)年に初演された「慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)=通称・伊達の十役」。四世鶴屋南北作の仙台藩伊達家の御家騒動を描いたもので、夏季休暇で役者がそろわなかったことから、七世市川團十郎が登場人物十役を早替わりで演じたという。その後、1979(昭和54)年に現在の猿翁・三代目市川猿之助さんが復活上演させた。
「この作品が目標だった」と話す市川染五郎さんによると、見どころは十役の早替わりや宙乗り。今年5月には東京・明治座で同作を演じ、「千秋楽の日、明日もやりたいと思った作品はこれが初めて」というほど熱を込めた作品だという。
「十役の十色の声をどう変えていくのか、冷静に見直している」と染五郎さん。「体力が心配だが、芝居が好きと自信持って言えるようになった作品。一役一役丁寧に演じていきたい」と意気込みを見せる。出演者はほかに片岡孝太郎さん、市川右近さん、尾上松也さん、片岡秀太郎さんら。
2月14日には当選者が出演者にチョコレートを渡せるバレンタイン企画やトークイベント「カブキナイト~バレンタインデーは歌舞伎愛に染まらナイト!」などの特別企画も行う予定。
料金は、A席=14,500円、特B席=11,000円、B席=8,000円、C席=5,000円。公演は2月4日~26日まで。