SDGs建築賞(旧サステナブル建築賞)
https://www.ibecs.or.jp/sustainable/building/index.html
■趣旨
建築物として優れた作品であるとともに建築主、設計者、施工者および利用者の協力により、建築物の計画、生産、運用、廃棄にいたる全ての段階におけるSDGs達成に向けた顕著な取組で、その普及効果が期待されるSDGs建築物を顕彰するために「SDGs建築賞」の作品募集を実施
【設計者コメント】
福岡県の中央(筑豊地方)に位置する嘉麻市は、1市3町の合併により生まれた新たな市です。本プロジェクトは嘉麻市の新庁舎の計画であり、2020年3月に竣工しました。
嘉麻市庁舎の設計にあたっては、安心・安全性の確保とイニシャルコスト縮減を前提に、嘉麻市の自然と共生しそれを活かすことを念頭に、地方都市の市庁舎でありながら先進的な環境建築を目指しました。
そのようなコンセプトのもと、建築・構造・設備が一体になった無駄のない合理的なデザインにより、洗練された市庁舎を実現し、このたび第2回SDGs建築賞審査委員会奨励賞を受賞することができました。
本市庁舎のSDGsの観点においては、『Goal7:エネルギー』の視点に呼応した高い環境性能・省エネルギー性能の確保はもちろんのこと、『Goal8:経済成長と雇用』や『Goal4:教育』を意識した職員の働きやすさ・コミュニケーションの活性化を促す執務エリアの計画、地域社会のコミュニティが生まれる市民ラウンジや市民ワークスペースの計画など、様々な工夫を凝らしています。
【建築概要】
名称:嘉麻市庁舎
所在地:福岡市嘉麻市岩崎1180-1
建築主:福岡県嘉麻市
設計者:久米設計
施工者:淺沼組 九州支店
延床面積:9,652.99平方メートル
階数:地上6階
構造:RC/一部S
竣工:2020年3月
受賞:グッドデザイン賞/日経ニューオフィス賞/空気調和・衛生工学会振興賞/JSCA賞/ウッドデザイン賞/福岡県美しいまちづくり建築賞/福岡県木造・木質化建築賞/建築九州賞/日本免震構造協会賞/コンクリート工学会賞/照明普及賞/照明デザイン賞/SDA賞/日本建築学会作品選集/日本建築学会作品選集新人賞/ SDGs建築賞 審査委員会奨励賞
【設計コンセプト】
遠賀川の畔に佇む「矩形」の市庁舎
福岡県の中央に位置(筑豊地方)する嘉麻市には、北部九州最大の川である遠賀川の源流がある。遠賀川の恵みを享受することで、古来より稲作文化が形成、近代からは石炭産業が発達した。周囲が山林で囲まれた嘉穂盆地内に位置し、季節・時間によって風向きが変化する盆地特有の風環境である。2016年4月の熊本地震を受け、九州内で実質的に最初に公告された市庁舎のプロポーザルが嘉麻市新庁舎計画であった。また、合併特例債活用期限の2020年3月竣工が求められていたため、自然的要因(熊本地震)と社会的要因(合併特例債)の狭間で計画を進める点も大きな特徴であった。以上のような背景から、遠賀川の恵みや盆地特有の環境を最大限に生かしつつ、安心・安全性確保とイニシャルコスト縮減を両立した合理的なデザインを追求した。時代背景・地域環境に対して純粋に応答することが、この市庁舎建築の姿勢としてふさわしいと考えた。
【会社概要】
株式会社久米設計
「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。
1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。
URL:https://www.kumesekkei.co.jp/
所在地:東京都江東区潮見2-1-22
代表取締役社長 藤澤進
【久米設計Instagram】
https://www.instagram.com/kumesekkei/