対馬の海ごみで作ったアート作品を展示する「Ocean Good Art プロジェクト作品展」が現在、商業施設「ベイサイドプレイス博多」(福岡市博多区築港本町)C館中2階の円柱型大水槽「アクアリウム」前で行われている。
長崎県対馬市SDGs推進課が海岸漂着物対策事業の一環として実施する、対馬の海ごみ問題を啓発する同プロジェクト。対馬は、海流や風向き、立地などの条件から多くの海ごみが流れ着くという。その漂着ごみをアート作品によみがえらせる取り組みを行っている。
今回の作品展では、プロジェクトの第1弾アーティスト、しばたみなみさんの作品を展示する。同施設広報の佐野由紀江さんは「ベイサイドプレイス博多は、この施設から対馬行の船が就航していることもあり、このプロジェクトに賛同している。対馬へ行く方に、対馬の海ごみがアートとして生まれ変わった姿を見てほしいと今回、作品を展示する運びになった」と話す。
しばたさんは1990(平成2)年福岡市生まれで、福岡を拠点に活動。海や山で拾い集めた廃材を使って作品を作るなど、環境問題をアートで伝える活動を行っている。しばたさんは、今回のプロジェクトで対馬に2カ月ほど滞在し、海ごみを集め、制作活動を行った。作品のコンセプトは「『祠(ほこら)』HOKORA」で、対馬の6つの町それぞれの海岸で集めた海ごみで作った作品6点を展示する。展示作品は、上県町の井口浜の海ごみで作った「連なり」、上対馬町のソモヤ浜の海ごみで作った「痕跡」、厳原町の小茂田浜の海ごみで作った「自然と不自然」など。しばたさんは「同じ海でもその土地、その空気で感じることは異なり、それぞれにコンセプトストーリーも制作した。その作品を福岡で、ベイサイドプレイス博多のシンボルでもある大水槽前に展示できて、とてもうれしい」と話す。
しばたさんは「今回、プロジェクトの第1弾アーティストとして挑戦させていただいたことにとても感謝している。このプロジェクトが対馬の方にもワクワクする取り組みになれば」と期待を込める。
開館時間は10時~20時。入場無料。11月9日まで。