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福岡市地下鉄七隈線が延伸開業 天神南~博多が直結、乗り換え不要に

3月26日に行われた「福岡市地下鉄七隈線延伸開業式典」での特別列車出発式テープカットの様子

3月26日に行われた「福岡市地下鉄七隈線延伸開業式典」での特別列車出発式テープカットの様子

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 福岡市地下鉄七隈線が3月27日、延伸開業した。

空港線博多口コンコースと七隈線博多駅の接続口

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 七隈線は、福岡市西南部地域の慢性的な交通渋滞の緩和や、効率的で利便性の高い公共交通体系の確立などを目的に計画され、2005(平成17)年2月3日に、橋本~天神南間を開業した。その後、鉄道ネットワークを強化し、全市的な交通課題への対応、九州・アジアとの交流新時代への備え、顕在化する環境問題への対応を図ることなどを目的とし、2011(平成23)年度から延伸事業化に向けた取り組みを開始。2012(平成24)年に国から鉄道事業許可を取得し、2013(平成25)年から土木工事に着手した。延伸区間は、天神南~博多の延長約1.4キロ。天神南駅~博多駅間には「櫛田(くしだ)神社前駅」と七隈線「博多駅」が新設された。

 両駅では、非接触型のエレベーター導入や、エスカレーターの充実を図ったほか、延伸開業に合わせて導入した3000A系車両は、立ち座りしやすいシートの導入や優先スペースの増設など、ユニバーサルデザインに配慮した。「櫛田神社前駅」内には博多織や博多人形など、伝統工芸作家による作品約80点を展示。七隈線「博多駅」は改札から出ることなく空港線へ乗り換え可能で、空港線と七隈線のホーム間(約150メートル)の乗り換え通路には約55メートルの動く歩道を整備した。博多駅までの延伸により、七隈線各駅から博多駅までが乗り換え不要となり、移動時間は約14分の短縮となる。これまで空港線と七隈線との乗り換えは天神南駅で行っていたが、延伸後は博多駅で行うことになる。事業費は2017(平成29)年度見直し後、約587億円。利用人数は1日約8.2万人を見込み、二酸化炭素排出量の年間240トン削減を見込むなど、環境負荷の低減効果も期待される。

 七隈線の営業開始時刻は15分繰り上げ、営業終了時刻は15分繰り下げることで、博多駅におけるJR(新幹線・特急)始発列車や最終列車との乗り換えが可能となる。平日7時30分~9時に2往復、平日16時~17時に1往復増便することで、平日ラッシュ時間帯の混雑緩和も図る。

 開業日前日の3月26日、開業を記念した式典および特別列車の出発式が行われた。式典は、高島宗一郎福岡市長によるあいさつや福岡市交通事業管理者による建設経過の報告、服部誠太郎福岡県知事など5人の来賓による祝辞を経て、テープカット、特別列車発車式などが行われた。

 開業式典で、高島市長は「七隈線の全線開業により、福岡の西南部地域から博多駅への交通アクセスも格段に向上し、市民の皆さまにも活用してもらえると思う。この延伸開業が、福岡市で生活し活動される多くの皆さまにとって幸いをもたらすことを祈念している」と話した。

 服部県知事は「延伸により、通勤・通学などの利便性向上、交通渋滞の緩和が大きく期待されるほか、福岡市が推進する『天神ビッグバン』と『博多コネクティッド』の2つの地区をつなぐ新しい動脈ができる。七隈線がビジネス・観光の面においても新たなプラスの効果をもたらし、福岡市のさらなる発展につながることを大きく期待する」と話した。

 27日には、5時15分から一番列車出発式を開催し、営業運転を開始した。

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