展覧会「バンクシーって誰?展」が現在、福岡アジア美術館(福岡市博多区下川端3)7階 企画ギャラリーA・B・Cで開催されている。
覆面グラフィティーアーティストのバンクシーさんを紹介する同展。東京、名古屋、大阪、郡山(福島県)、高岡(富山県)を経て福岡で開催される。同展は、展覧会「ジ・アート・オブ・バンクシー展」を日本独自の仕様で紹介。バンクシーさんが壁や街中に描いた作品を実物大のセットで再現展示し、現地で作品を見ているかのような空間を演出する。プライベート・コレクターが所蔵する額装作品も展示する。会場内は一部の作品を除き写真撮影可とする。
再現展示の制作は、日本テレビの美術チームが手がける。バンクシーさんの出身地とされる英国のブリストルやロンドン、米国、中東で描いた代表的な作品約15点を「映画のセット」のように再現して紹介するという。一部では雑踏などの様子を演出する音も流す。会場では、2020年にブリストルの坂道に連なる家の壁に描かれた作品を傾斜とともに再現した空間や、2002年ロンドンでの作品「Girl with Balloon」が描かれた階段、2005年ごろにパレスチナ自治区ベツレヘムの壁に描かれた作品「Flower Thrower」を実物大の高さ約5メートルの壁で再現した空間などを設ける。ロンドンの街角の隅に描かれたネズミの絵も再現するほか、2017年にバンクシーさんがベツレヘムにオープンしたというホテルの空間と、ホテルの窓から見える分離壁に描かれた作品を再現したエリアも設ける。
プライベート・コレクター所蔵の額装作品の展示では、ファッション・デザイナーのポール・スミスさんが所蔵する田園風景の絵画にバンクシーさんが標識を書き加えたという作品「Congestion Charge」をはじめ、個人が所蔵する「Love Rat」「Girl with Balloon」など約60点を展示する。
会場ではカタログや展覧会オリジナルグッズを販売する。
同展企画プロデューサーで日本テレビの落合ギャラン健造さんは「バンクシーは時と場所を選んでいろいろなサイズで作品を描いている。展覧会に来て、できるだけバンクシーの活動を想像してもらえるようなトリガーや仕掛けをたくさん施しているつもり。想像力を働かせて、きっとこういう緊張感の中、こういう世界情勢の中で、その時々に作品を描いてきたんだな、というところを感じ取ってもらえれば」と呼びかける。
開催時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで、入館は30分前まで)。入場料は、一般=2,000円(土曜・日曜・祝日は200円増し)、大学生・専門学生=1,700円(同)、小学生・中学生・高校生=1,200円。未就学児は無料。3月26日まで。