「六月博多座大歌舞伎」の出演者が船で博多川を下る博多の恒例行事「船乗り込み」が5月29日に行われ、歌舞伎界を代表する坂田藤十郎さんや尾上菊五郎さんら総勢20人が興行前のお披露目を行った。主催は、博多座、福岡市、地元商店街などで組織する船乗り込み実行委員会。
1999年5月に博多座開業行事として開催したのが始まりの「船乗り込み」。歌舞伎座興行の際にご当地到着をお披露目する独特の伝統行事で、現在では、大阪松竹座と同劇場のみで行われている。今年は博多座が10周年を迎え、船乗り込みも博多の恒例の行事となった。
同日午後、キャナルシティ博多(福岡市博多区住吉2)地下1階サンプラザステージで乗船式典が行われ、その後、清流公園から吉田宏・福岡市長や関係者ら約100人が9隻に分かれて乗船、途中川端ぜんざい広場前で口上を披露した。博多リバレイン(下川端町)までの約800メートルに架かる8本の橋上や博多川の両岸は例年にも増して大勢の観衆で埋まり、紙吹雪が舞う中役者らをそれぞれの「屋号」で声援を送った。
下船後、博多リバレイン・フェスタスクエアで行われた式典では20人の役者があいさつ。市川團蔵さんはエド・はるみさんの芸で「博多座にどうぞ(足を)お運びいただきまして『ルッキンぐ~』していただきたいと思います」とコメントするなど、会場に集まった観衆を大いにわかせた。藤十郎さんは「(喜寿を迎えたが)私まだまだ若こうございます。どうかお一人でも多くの方々が博多座へお越し下さいますよう、お待ち申し上げております」と呼びかけた。
「六月博多座大歌舞伎」は6月2日~26日に公演。観劇料はA席=18,000円、特B席=15,000円、B席=12,000円、C席=5,000円。チケットは博多座チケット売り場やインターネット、チケットぴあなどで販売。6月7日は恒例の「着物の日」も行われ、当日着物着用で観劇するとプレゼントも用意される。
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