「ただいま!みんなー!」――漫才日本一を決める「M-1グランプリ2009」で見事、グランプリに輝いた九州出身のコンビ「パンクブーブー」が12月22日、イムズホール(福岡市中央区天神1)で凱旋(がいせん)ライブを行った。
「優勝おめでとう~!」――拍手とともに送られる声援に大きく手を振りながらステージに立つ2人。「いや~優勝すると思ってなかったので実感がまったくない」と口をそろえる。ツッコミ担当の黒瀬純さんは福岡県、ボケ担当の佐藤哲夫さんは大分県の出身。それぞれ別のコンビで吉本興業福岡事務所に所属していたが解散。偶然、解散時期が重なった2人で新たに漫才の頂点を目指し上京。2001年にコンビを結成した。
「九州男児が勝負せんでどうする」。ようやく勝ち取った決勝戦のステージではなんと「笑い飯」が史上初の100点満点をたたき出す。「100点が出た途端、『よし、練習やめて気楽にいこう』と。緊張の中、必死に続けていたネタ合わせもやめた」と黒瀬さん。佐藤さんも「とりあえず最終審査に残って2回ネタができれば満足かなと。楽になって普段通りにできた」と振り返る。
上京後も決勝進出までの道のりは長かった。「大丈夫バイ」「あんま考えんと頑張ってこい」――博多駅前でライブのチケットを手売りしていた福岡時代からの先輩、博多華丸・大吉さんの言葉がなかなか準決勝を突破できずにいた2人を支えた。
周囲の支えの中、手にした優勝は審査員7人の満場一致によるもの。「僕らの名前が次々とめくられて、一体何がどうなっているのか分からなかった」と黒瀬さん。佐藤さんは「ポカーンとしていたら紙吹雪のバズーカに驚き、首の筋をつってイタイイタイと押さえていた(笑)」と優勝の瞬間を振り返った。
今年、福岡事務所は20周年を迎えた。来年1月11日、福岡サンパレスホテル&ホール(博多区築港本町)で行われる20周年記念ライブにも出演する。「ちょうど節目の年。華を添えられる」と笑顔を見せた。