博多座11月公演「日本テレビ開局70周年記念舞台 西遊記」の合同取材会が6月12日、ホテルオークラ福岡(福岡市博多区下川端町)で行われた。
「西遊記」は、唐の時代に中国からインドへ渡り、仏教の経典を持ち帰った玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の旅の記録を基に16世紀の中国・明(みん)時代に書かれたとされる小説。主人公の孫悟空が、沙悟浄、猪八戒、三蔵法師のお供をし、さまざまな困難を乗り越えながら天竺(てんじく)を目指す物語で、1978(昭和53)年には日本テレビ開局25周年記念番組として、堺正章さん主演でテレビドラマ化された。同局の開局70周年を記念した同舞台は、11月に大阪・オリックス劇場での公演を皮切りに、来年1月までの期間で福岡(博多座)、名古屋(御園座)、東京(明治座)の全国4カ所を巡回する予定。
出演は、片岡愛之助さん(孫悟空)、小池徹平さん(三蔵法師)、戸次重幸さん(猪八戒)、加藤和樹さん(沙悟浄)、村井良大さん(玉竜)、藤岡真威人さん(紅孩児)、中山美穂さん(鉄扇公主)、松平健さん(牛魔王)ほか。演出は堤幸彦さんが務める。合同取材会には、現在「六月博多座大歌舞伎」に出演中で、舞台「西遊記」で主演を務める片岡愛之助さんと、演出を務める堤幸彦さんが出席し、公演について意気込みを語った。
愛之助さんは「最初にこの話をもらったのは約2年前。やっとこの日を迎えられたことを本当にうれしく思う」と笑顔を見せた。演じる孫悟空については「堺正章さんの孫悟空を見て育ってきた。子どもの頃に拝見して、スーパーマンと同じような存在」と話し、「今回演じるに当たって、『愛之助の孫悟空だな』とお客さまに感じていただけたら。稽古でぶつかり合いながら、監督に指導してもらいながら、みんなで作り上げていきたい」と話す。
堤さんは「三蔵法師と共に旅をすることによって、友情そして争い、人間の業の深さなどを含め、いろいろな要素を完備したストーリーにしようと考えている」と構想について語った。きん斗雲や如意棒、分身の術など、物語に出てくる特徴的な場面については「最近の舞台装置は想像を超えたさまざまなテクノロジーが詰まっている。最新テクノロジーと、アナログな舞台の知恵が詰まった技をうまくミックスして、1分たりとも飽きさせない舞台にしていきたい」と話す。
博多座での公演期間は11月10日~23日を予定する。