展覧会「『アニメージュとジブリ展』一冊の雑誌からジブリは始まった」が4月8日から、福岡アジア美術館(福岡市博多区下川端町3)企画ギャラリーで始まった。
「風の谷のナウシカ」の主人公ナウシカ役を務めた声優・島本須美さんと監修者の高橋望さんと「風使いの腐海装束」の再現造形物
月刊雑誌「アニメージュ」は、1978(昭和53)年5月に徳間書店が創刊した商業アニメ雑誌で、誌面では業界内部や作家、制作に関わる人々をクローズアップし、場面写真や制作の舞台裏などの記事を掲載するなど、アニメファンからのニーズに応えファンと作り手の架け橋となった。1982(昭和57)年2月号で原作漫画の連載が開始された「風の谷のナウシカ」のアニメーションの映画化により、スタジオジブリ設立のきっかけにもなった。スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫さんは、同誌の創刊に参加し、副編集長、編集長を務める傍ら、「風の谷のナウシカ」や「火垂(ほた)るの墓」などの製作に関わり、1985(平成元)年のスタジオジブリ設立に参加した。
同展では、「アニメージュ」創刊時から1980年代に焦点を当て、70年代末のアニメブームからスタジオジブリ誕生までを「アニメージュ」の誌面と資料で振り返る。「ルパン三世 カリオストロの城」「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」の直筆原稿、初公開となるオリジナル・セル画、造形家・竹谷隆之さん監修の「風の谷のナウシカ」の「風使いの腐海装束」の再現造形物、初期のガンプラを使った「機動戦士ガンダム」のシーンを立体で表現したジオラマなど、200点以上を展示する。第1章「アニメージュ誕生」、第2章「アニメージュは私たちにすべてを教えてくれた!」、第3章「加速するアニメブーム」、第4章「ナウシカへの道」の4つのエリアから成る。
このほか会場では、構想段階の青いテトや王蟲(オーム)の「ぬいぐるみ」(テト=1万1,000円、王蟲=1万4,300円)、「風の谷のナウシカ」のオープニングデザインの「ゴブラン織りタペストリー」(1万6,500円)、「ステンレスボトル」(3,520円)などの約150点の展覧会オリジナルグッズに加え、博多織の「サヌイ織物」(西区小戸3)とコラボレーションした「博多織コースター」(1,100円)など福岡展限定グッズもそろえる。
スタジオジブリ展示アドバイザー兼本展監修者の高橋望さんは「子どものころから楽しんできたジブリ作品がどういうふうな形で生まれ、誰が頑張ってきたのかなど、ジブリのオリジンのようなものが見られる貴重な展覧会。そういう歴史を垣間見ることは楽しく、作品理解が深まると思う。作品そのものの資料展示に加え、当時、劇場公開した際のグッズは必見」と話す。
開催時間は9時30分~18時(金曜・土曜は20時まで)。水曜休館(5月4日は開館、5月6日は休館)。観覧料は、一般=1,300円、中・高学生=800円、小学生=600円(土曜・日曜・祝日は200円増し)。7月10日まで。