
9月15日に開幕する劇団四季ミュージカル「オペラ座の怪人」の舞台準備が現在、キャナルシティ劇場(福岡市博多区住吉1)で進められている。
同作品は、仏作家のガストン・ルルーの同名小説を元にしたミュージカル。19世紀のパリを舞台に、オペラ座の地下にすむ「怪人」の、歌姫・クリスティーヌへの愛の様を描く。劇団四季での初演は1988(昭和63年)4月29日の東京・日生劇場で、以来、国内10都市で上演を重ねてきた。福岡での初演は、1996(平成8)年5月19日に劇団四季初の常設劇場「福岡シティ劇場」(現キャナルシティ劇場)のこけら落とし公演で、約29万人(全269回)を動員。2度目は2003(平成15)年8月~2004(平成16)年3月、今回は約21年ぶり、3度目の公演となる。
9月1日に行われたメディア向けの舞台仕込み取材会では、舞台監督の田邉勇年さんが、舞台準備の経過について説明したほか、セットの見どころなどを話した。舞台設営は7月26日に始め、9月1日に完了。作業には最大100人のスタッフが携わり、セットの搬入には11トントラックおよそ50台を使ったという。9月4日~14日は、出演者を迎えた舞台稽古を行う。同劇場に初めて出演する俳優も多いことから、立ち位置や舞台のはけ方をはじめ、衣装や歌の確認など、場面を細かく区切って稽古に当たるという。
舞台美術には、シャンデリアや、舞台を囲む額縁状の枠「プロセニアム・アーチ」、ドレープ(つり幕)など、実際にオペラ座を取材し創出したセットを用意する。シャンデリアの大きさは、高さ約2メートル、幅約3メートル、奥行き1.5メートルで、重量は約300キロ。飾りつけた2万4000個のビーズは、全て手作業で取り付けたという。プロセニアム・アーチに飾られた天使などの彫像は、全長約2メートルの樹脂製で、「パンプキン・ゴールド」と呼ばれる特殊な色を使う。彫像は、一つずつワイヤで固定し、どこから見てもきれいに見えるよう角度調節をしているという。ドレープは15枚使い、イギリスから直輸入した房飾りや木製の球、染色された羊毛などを使う。
舞台美術の見どころについて、田邉さんは「プロセニアム・アーチは、劇場に入った瞬間に19世紀のパリ・オペラ座に引き込まれてほしいと思い、当時の色味に近づけている。劇中でシャンデリアが落ちるシーンもあるが、リアルに落ちる感じや、ガシャンという音を再現できるよう、お客さまがびっくりできるように音など細かく調整しているので、注目してほしい」と話す。
チケットは、S席=1万2,000円~、A席=9,500円~、B席=7,500円~、C席=4,500円~。公演は2026年4月5日まで。