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九大生が考えた「学生のためのノート」 グッドデザイン賞受賞

ノートを共同開発した九州大学の学生達

ノートを共同開発した九州大学の学生達

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 九州大学の学生と印刷会社三光(福岡市博多区山王1、本社=佐賀)が共同開発したノートが今月、2017年度グッドデザイン賞を受賞した。

ノートを紹介する三光の担当者

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 同社が自社商品として学生用ノートを開発するため、九州大学 学術研究・産学官連携本部に共同開発を依頼。昨年の4月から共同開発を始め10月には第18回福岡デザインアワードに入賞。今年3月に商品化したノート「3mmLEAF(サンミリーフ)1/1」「3mmLEAF1/4」「ホワイトノート」を販売し、今月グッドデザイン賞を受賞した。

 けい線の幅や色などの工夫が特徴のノートは「学生自身が考えた、学生のための勉強しやすいデザイン」をコンセプトとし、学生自身が高校生の時に工夫したノートの使い方などから考案しデザインした。ロゴやパッケージのデザインも学生が行った。同賞受賞に、参加した九大生の中島弥姫さんは「学生もデザイナーとして入賞できるのだと驚いた。商品を作る難しさを学び、貴重な経験をさせてもらえた。たくさんの学生に使ってほしい」と喜びを語る。

 ノートはルーズリーフ2種類「「3mmLEAF1/1」「3mmLEAF1/4」と、とじノート「ホワイトノート」の計3種類。

 「3mmLEAF1/1」は一般的な6~7mmのけい線幅を3mmとし、行ごとにけい線幅を選びやすく、数式や英文法の補足説明も書きやすく工夫。けい線も薄くしイラストなどが書きやすいという。担当した田中理佐子さんは「高校生の時に、数式を窮屈に書いていた事、けい線の濃さが気になっていた事などから考えた。今後この商品を使っていたという学生が入学してきてくれたら」と思いを語る。

 「3mmLEAF1/4」は1/1と同じシリーズの、B5用紙1/4サイズの細長いルーズリーフ。少し書き足したり、要点をまとめたりなどの使い方を提案。また、通常のB5幅より10mm長いサイズにして、インデックスとしても利用できるようにした。担当した森永大地さんは「要点をまとめ、それを並べ替えるなども使える。マメじゃない学生も効率良く使えるまとめノートをテーマにした。新しい使い方も発見してほしい」とし、石田暁基さんは「自分の中学・高校生活を見つめ直し、もっとこうした方が学生にとって勉強しやすいというノートを考案した」と話す。

 「ホワイトノート」は白インクを使い、破線のけい線を1行ごとにずらしたノート。破線や破点を利用し文字や図表が書きやすく、見返す時は無地のノートのように書いたものが見えやすいという。担当した大久保爽一郎さんは「アイデアのきっかけは、三光さんの工場見学に行った際に白いインクの存在を教えてもらった事。インクの色や線の幅、太さなどもいろいろ試し工夫した。そういうプロセスも普段の授業ではできないので楽しかった」と振り返る。

 三光の塩見大門さんは「初めての自社商品として学生が本当に欲しいと思うノートをデザインしてもらった。学生ならではのアイデアと工夫が詰まっている。販売数も当初見込みの倍以上売れており販売店も増えている。今後も拡大していきたい」と意欲を語る。

 各種ノートは東急ハンズ博多・大分・長崎各店、天神ロフト、雑貨館インキューブ天神・久留米各店などで販売している。価格は240円~270円(税別)。

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